ぶら~りネット探訪

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『人生、ブラボー!』を見た

ケン・スコット監督、パトリック・ユアール主演のカナダ映画『人生、ブラボー!』を見みました。

精子バラマキ男の話」とTBSラジオ『たまむすび』で町山智浩の紹介していたのがきっかけでこの映画を見ることにしました。映画は精子バンクで必死にオナニーする男のシーンから始まります。

主人公のダヴィッド・ウォズニアックはダメ中年、仕事は家族がやっている精肉店の配送。闇金に借金があり、突然やってくる取り立ていたぶられている。彼女はいるけど妊娠をきっかけに別れを切り出される。20代のころダビッドは金のために精子バンクに精子を提供していた。ダビッドの精子から533人の子どもが生まれ、そのうち143人が精子の提供者の身元を明かすように提訴しようとしているが分かる。ダビッドは友人の弁護士に相談する。弁護士は提訴している143人の子どもたちの身元のリストをダビッドに渡す。身元を明かすつもりのないダビッドはリストをすぐにゴミ箱に捨てるが、どうしても気になってリストをゴミ箱から戻してしまう。

大人になりきれない中年男が話の中心になるところは『テッド』と同じです。『テッド』からクマちゃんと『フラッシュ・ゴードン』を抜いて、サッカーを加えると『人生、ブラボー!』になるのかもしれません。この映画も分かりやすく通過儀礼としての見方ができる映画ですね。最後にダヴィッドは文字通りの父親になります。

予想していたよりも笑えるシーンが多いのとグッとくるシーンも多かったのが意外でした。ダヴィッドが自分の子どもたちを守護天使として見守るシーンにはセリフは全くなく、繰り返しの様なシーンの連続ですが、笑えてそしてホロッとさせられました。

143人の子どもの中にはプロサッカー選手として活躍する者もいれば、ヤク中の娘もいるし、ゲイの男、そして障害者もいたりいう所がとてもリアルな感じがしました。この映画を見てふと『おおかみこどもの雨と雪』を思い出したりしました。子どもや子育てや家族の絆みたいな所をテーマにしているところが共通していますが、私には断然、『人生、ブラボー!』の方が面白いし好きですね。

おおかみこどもの雨と雪』には笑いの要素が少ないのと、キレイ事で済ませてしまおうとする所がどうも私の趣味ではありません。ダヴィッドの恋人が妊娠しているけど、子どもが好きではなく、母親になる自信がないことポロっと言ったり、ダヴィッドの友達の弁護士が子どもはブラックホールで時間も金も吸い込んでいくと愚痴ったりするシーンが印象的でした。悩んだり、愚痴ったりしながらも子どもを育てていくというのが嘘ぽくないですね。

この映画の原題は『スターバック』だそうです。ダヴィッドが精子を提供した時の仮名で、カナダの種牛の名前からきているそうな。スターバックはカナダ生まれの種牛で世界に20万頭以上の子どもがいるそうな。サラブレッドならノーザンダンサーとったところでしょうか。ノーザンダンサーアメリカで活躍しましたがカナダ生まれです。

余談ですが、ダヴィッドの姓がウォズニアックというのは、アップルをスティーブ・ジョブズと始めたスティーブ・ウォズニアックを思い出しました。TBSラジオの『ストーリム』でやっていた映画のコーナー『ブラボーシネマ』も思い出しました。小西克哉はこの映画に何ブラボーつけるのでしょうか?

Starbuck (French)