早稲田松竹で『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』と『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』の2本立てを見てきました。
正直、マイケル・ジャクソンさんもストーンズもそれほど興味はないのですが、組み合わせがあまりにも対称的で興味が湧きました。
単純にマイケル・ジャクソンさんとストーンズの音楽的な面だけでも違いがはっはりしていますが、この2本の映画では死んでしまったスターと年老いてもステージに立ち続けるスター、リハーサル映像とライブ映像、ポップスとロック等々、2組の違いがくっきりと浮かび上がってきます。
『シャイン・ア・ライト』を先に見ました。巨匠マーティン・スコセッシの監督作でマーティン・スコセッシ自身もライブが始まる前のストーンズとのやり取りで画面に出てきます。
いきなり『Jumpin' Jack Flash』からライブは始まります。ライブの映像に昔のミック・ジャガーやキース・リチャーズのインタビューが時々挟まるという構成。ゲストとしてジャック・ホワイト、バディ・ガイ、クリスティーナ・アギレラが登場したりします。
バディ・ガイのシーンを見ているとロックやブルースロックとブルースは全く別物だということがはっきり分かります。バディ・ガイがギターを弾いたり、歌ったりすると空気がガラっと変わってしまいます。
『As Tears Go By』のシーンではちょっと涙が溢れそうでした。マリアンヌ・フェイスフルは最近『やわらかい手』という映画に主演していました。
ミック・ジャガーのステージアクションは相変わらず激しく60歳をすぎているようにはとても見えません。キース・リチャーズはちょっと辛そうな感じで、やたらとギターを取り替えていたのはインターバルを取るためのように見ました。キース・リチャーズとロニー・ウッドのギターを見ているとギブソンとフェンダーの見本市かと思ったりもしました。キース・リチャーズはレスポール・ジュニアを使っていましたが、レスポールはさすがに重すぎるのか使っていませんでした。ロニー・ウッドはペダルスチールも弾いていたりもしました。
バックコーラスのバナード・ファーラーもけっこう画面に映っていました。バナード・ファーラーは坂本龍一の『未来派野郎』やライブでもボーカルをやっていた人で、『Behind the Mask』も歌っていたました。
実際に観客がいる『シャイン・ア・ライト』の後にリハーサルのみの『THIS IS IT』を見ると、始めうちは寂しい限りなのですが、徐々にマイケル・ジャクソンさんのパフォーマンスに惹かれていきました。
単純にリハーサル風景を繋ぎ合わせただけでなく、ライブ用に新たに撮影された映像も出てきます。この映像が非常に金や手がかかったもので驚きでした。特に『スリラー』の新作ビデオ(3Dと言っていました)とその中に登場する巨大なクモのロボットの出来の良さに驚きました。
リハーサルでも常にピカピカの衣装を着ているマイケル・ジャクソンさんの姿も良かったですね。特に銀のジャケットに赤のズボンという姿と巨大な尖った襟にラメが入っていて、襟と同じように肩パットが尖っているジャケットが印象的でした。
バンドの演奏の完成度もかなり高いのにも驚きました。マイケル・ジャクソンさんがバンドのメンバーに具体的な指示を与えるシーンも非常に興味深いものがありました。
マイケル・ジャクソンさんの歌は半分くらい実際に歌っている感じで、残りはハメコミ合成という感じでした。一つ残念だったのはジャクソン5のメドレーのシーンでマイケル・ジャクソンがイヤホンのモニターが気に入らず1曲目の『I Want You Back』をほとんど歌わなかったところです。『I'll Be There』はしっかり歌っていました。最後にジャクソン5の兄弟たちの名前を呼んで、両親への感謝の言葉を言うところでは、不覚にもグッと来てしまいました。
隣に座っていた女性はマイケル・ジャクソンのファンらしく常に身体を揺らしていて、後半の『ビートイット』では今にも立ち上がって踊りだしてしまうのではと思うほどノリノリでした。ちょっと微笑ましく、ちょっと羨ましい感じがしました。
『THIS IS IT』は12月24日の金曜日ロードショーで放送されます。このことは知っていました。でも大きいスクリーンいい音響で見たかったのであえてお金を払って見ました。早稲田松竹はドルビーデジタルで音響は悪くわないんですよ。
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