ぶら~りネット探訪

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堀井憲一郎の「若者殺しの時代」を読んだ

堀井憲一郎の「若者殺しの時代」を読んでみました。 ここ1~2年くらい新書ブームというのが続いていて、ベストセラーは新書からけっこう出ていたりします。「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 」や「国家の品格」、「若者はなぜ3年で辞めるのか? 」といったところが新書からベストセラー、話題になった本ですね。私は一冊も読んだことがありません。 その新書ブームに便乗して失敗したのが堀井憲一郎の「若者殺しの時代」だと私は思います。タイトルの「若者殺しの時代」がとても流行の新書ぽいタイトルで非常にインパクトがあります。しかし、読んでみると「若者殺しの時代」という結論が最初にあって、どうにかそれにあった資料というかホリイの調査をとりあえず当てはめてみたという印象が拭い切れません。 資本主義社会が発達して、若者の行動全般が1983年を境に消費社会に取り込まれていったというのは説得力はあるのですが、消費社会に取り込まれてしまうことがイコール死というのはちょっと短絡的すぎる気がします。80年代~90年代の消費文化を振り返ってみるのは「カノッサの屈辱」みたいで確かに面白いのですが、2000年以降の消費文化、サブカルチャーのについてはあまり取り上げてらていないのと、それらと80年代との比較、検証がつっこんで行われていないのが残念ですね。第1章の「一杯のかけそば」の話が伏線になって最後の章あたりでなにかどんでん返しでもあるのかと思っていたら何もなかったのがかなり拍子抜けしました。 敗戦~高度経済成長~バブル景気、崩壊ときて戦後の日本のシステムが現代に合わなくなってきているという話は今更、ホリイに言われなくてもという感じですね。それよりもホームドラマがほとんど消滅した1990年に始まって今も続いている「渡る世間は鬼ばかり」をホリイはどう考えているのかが知りたいですね。 ホリイは結論として消費社会から抜け出すには文化、特に伝統文化に目を向けることだと言っています。特に落語が一押しだとは言ってません。でも最近のホリイと言えば「ずんずん落語」と連想してしまう私としては若者に落語を勧めているような気がします。 若者殺しの時代
若者殺しの時代