週刊文春の連載『ホリイのずんずん調査』がいつのまにか終わっていたと思ったら、病気療養中の神足裕司の代わりに『小島慶子キラ☆キラ』に出演している堀井憲一郎の『いますぐ書け、の文章法』を読んでみました。
堀井憲一郎の本はけっこう好きで読んでいるのですが、この本は正直、読んでいてあまり楽しい感じがしませんでした。どーでもいいような事を真剣に調べて、独特の視点で語るのが堀井憲一郎の持ち味だと勝手に思っているので、この本はかなり堅苦しく感じました。
堀井憲一郎は初めての単行本である『ホリイの調査』をレベッカやプリンセス・プリンセスのCDを聞きながら、立って、時には踊れながら書いたとこの本には書かれています。文章を書くのは頭の作業ではなく肉体の作業とも書いています。しかし、私にはどうもこの本は踊りながら書かれたような軽快さは感じられませんでした。
文章を書くのに頭でっかちにならず、とにかく今すぐ書けと言っているのですが、この本を読むと余計に色々と考えてしまいう人もいるのではないでしょうか。
タイトルのとおりこの本は堀井憲一郎による文章の書き方を教えてくれています。プロとしてお金のとれるライターと素人の違いは何か、お金取れるライターにはどうすればいいのかが丁寧に説明されています。
お金取れるライターとは読む人の立場になって書ける人のことで、読み手にひたすらサービスし楽しませる事のできる人のことだそうです。文章で自己表現を目指す人には物書きは向かない仕事であるそうです。
余談ですが古今亭志ん駒という落語家が「される身になってヨイショは丁寧に」という言葉を残しています。落語やヨイショだけでなく、文章も読み手の身になって書かれていなくいけないということでしょうか。
物書きでもミュージシャンでも役者でも人を楽しませてお金を貰う人は、基本的にみんなサービス業なわけなので当たり前な話なのですね。フリーライターも小説家ももちろん物書きではあるので変わりはありません。
もう一つ文章を書く上で重要なのは具体的な読者を想定した上で、何を書くかを考えることなんだそうです。
素人はとにかく時系列で書きたがるという指摘には、自分のことを振り返ってみて納得しました、この文書も時系列になっていますね。
色々と勉強になる本なりですが、普段、勉強になる本やためになる本というものを読み慣れていないためか、読むのが辛くなっというのが本音です。