『増殖』は1980年にリリースされたYMOのミニ・アルバム。元々の10インチのアナログ盤で発売されていました。ジャケットのデザインはこの後にリリースされた『X∞Multiplies』とほとんど同じで、中国の兵馬俑みたいにYMO三人の人形がズラッーと並んでいます。
何と言ってもYMOの曲の間にスネークマンショーのコントが挟まっているのがこのアルバムの大きな特徴です。スネークマンショーのコントだけでも楽しめます。
YMOのサウンドは全体的には『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』の延長みたいな感じです。しかし、『TIGHTEN UP』や『MULTIPLIES』のようにシンセが全面に出ていない曲があったりします。躁のときのYMOですな。でも全体的にいい意味で力が抜けている感じがいいですね。
『TIGHTEN UP』の細野さんのベースが凄くかっこいいですね。大村憲司のギターがかなりフューチャーされていて、このアルバムのサウンドの要は大村憲司のギターと言ってもおかしくない感じです。特に『TIGHTEN UP』や『CITIZENS OF SCIENCE』のカッテイングが素晴らしい。
『ナイス・エイジ』ニュース速報を読んでいるのは福井ミカ。22番とは大麻所持で逮捕されてしまったポール・マッカートニーのことだそうだ。
スネークマンショーのコントでは『若い山彦』が今でも笑えます。音楽評論家を揶揄したもので、架空の若手音楽評論家の座談会が繰り広げられています。ここに当時する音楽評論家は、レコード何万枚持っているとか、1日にロック8時間聞きまくって生活しているとか、ロンドンブーツを何足持っているとか、外タレにインタビューした話、来日した外タレと食事をしたとか、自分の自慢話を散々するのですが、肝心の音楽については「いいものもある、だけど悪いものもある」としか言いません。
ミュージシャンの西寺郷太という人がTBSラジオ『小島慶子キラ☆キラ』の水曜日の『サウンドパテスリー』というコーナーで洋楽を中心に自分のお勧めの音楽やミュージシャンを紹介しています。
西寺郷太はコーナーでビートルズやボブ・デュランは小学生の頃から聞いていたとか、アビーロードやリバプールに行ったことがあるといった話をしていました。ニルヴァーナについてはシアトルに行った話をしていました。シアトルに行ったらカート・コバーンの気持ちが分かったみたいな事を言っていました。
西寺郷太はV6のプロデュースもやったという話も最近していました。今度は是非、ロマン・ポルシェのプロデュースをやって欲しいものですね。ロマン・ポルシェはニューウェーヴですから。
ライオネル・リッチーや元ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュにインタビューした話もしていました。でも残念ながら一緒に天婦羅、すき焼き、しゃぶしゃぶは食べていないようでした。
西寺郷太は「マイケル・ジャクソン、小沢一郎ほぼ同一人物説」とい仮説というかネタを喋っていましたが、どうも私には西寺郷太のサウンドパテスリーでの姿がスネークマンショーの若い山彦に登場する音楽評論家の姿がほぼ一緒のように感じられます。「サウンドパテスリー、若い山彦ほぼ同一説」ということでしょうか。