ぶら~りネット探訪

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『ピンク・レディー ベスト・ヒット・アルバム』を聞いた

再結成し現在、全国ツアー中のピンク・レディー。そんなピンク・レディーの『ピンク・レディー ベスト・ヒット・アルバム』を聞いてみました。 デビュー曲の『ペッパー警部』からラストシングル『OH!』までのシングル22曲と『レディーX』、『逃げろお嬢さん』などを加えた全31曲が収録された2枚組のCDです。 再結成やDVDの『ピンク・レディー in 夜のヒットスタジオ』が話題になっていますが、私がこのCDを聞きたくなったのは井筒和幸監督の『ヒーローショー』のエンディングで『S・O・S』が使われていたのが原因です。 私はピンク・レディーについてはデビュー曲の『ペッパー警部』からリアルタイムで知っています。しかし、このCDを聞いて面白かったのは前半の大ヒット曲よりもアメリカ進出以降の曲です。 『KISS IN THE DARK』以降のアレンジやサウンドの進化が強烈で、同じグループの曲とは思えないほどです。初期のヒット曲は「ディスコ歌謡」的なカテゴライズがされていたりしますが、あくまでも「歌謡曲」の域をでないように感じます。、アメリカ進出以降は完全に「ディスコ」の比重が強くなっています。 単純にこのCDだけ聞くとサウンドが洗練されていくのに、人気やセールスが落ちて行くという、奇妙な現象が起きていたように感じられます。前半の大ヒット曲は阿久悠の歌詞の奇抜さが目立ち、今聞くどうしてもとコミックソングのように聞こえてしまいます。それはそれで面白く、今のJ-POPにはない味わいがあります。 『KISS IN THE DARK』はアメリカ人のマイケル・ロイドによるプロデュースなので当時のアメリカのディスコサウンドを再現しているのは当然ですが、阿久悠と都倉俊一の黄金コンビによる『マンデー・モナリザ・クラブ』もかなりいい出来で、今聞いてもそれほど古さは感じません。作曲は都倉俊一ですが、アレンジ、プロデュース、演奏はアメリカ人なのでこのクオリティなのだと思います。 『DO YOUR BEST』のイントロはレッド・ツェッペリンの『天国への階段』になんだか似ています。モスクワオリンピックに向けて作られた曲で、歌詞が相変わらず大袈裟ですが、阿久悠の作詞ではなく、伊達歩の作詞でした。伊達歩伊集院静ペンネームだそうです。 『リメンバー (フェーム)』はアイリーン・キャラの『フェーム』を日本語でカバーした曲。MIEがソロで『Never』をカバーしていましたが、『フェーム』も『Never』もアメリカ映画の挿入歌というところが構造的に似ています。 このアルバムで一番驚いたのは『Last Pretender』という曲です。作詞は糸井重里、作曲は高橋ユキヒロです。このアルバムを聞くまでこの曲の存在は知りませんでした。1980年に発売されたRAJIEの『偽りの瞳』と曲は同じで歌詞を変えたものだそうです。 『Last Pretender』でのピンク・レディーの二人のボーカルがファルセットみたいな歌い方で、名前を伏せられて聞いたらピンク・レディーの二人が歌っているのは分からないと思います。サウンドの方はYMOの『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』や高橋ユキヒロのソロアルバム『音楽殺人』に近いもがあります。テクノ歌謡あるいはニューウェーブ歌謡といった仕上がりになっています。ピンク・レディーYMOも同じ時期に海外に進出していました。ちなみに初期のYMOはライブで『ウォンテッド』をカバーしています。 ピンク・レディー ベスト・ヒット・アルバム