筒美京平、作曲家40年周年記念ＣＤ全集発売

作曲家、筒美京平が作曲家生活40周年を向かえ記念のCD6枚組み全集「ＴＨＥ　ＨｉＴ　ＭＡＫＥＲ―筒美京平の世界」を発売し、読売新聞のインタビューに答えたものがYOMIURI ONLINEに載っていた。筒美京平がインタビューに答えているのを読むのも、筒美京平の姿を写真を見るのも私は初めてです。

ヒット曲への強烈な思いも力となった。「今でこそ自分の音楽を追求する作曲家もいるが、我々はヒット屋さん。ヒットを出すかどうかに存在理由があった」と、きっぱり語る。

「自分の曲を分析するのは恥ずかしい。はやり歌を手がける人間に何が一番大切かというと、地方の飲み屋に入った時、自分の曲が有線で流れていること。評価は大衆がしてくれる」。優しく静かな口調に、６５歳の「ヒット屋」の誇りがのぞく。

この辺の発言を読むとやはり、職人あるいは職業作曲家としてのプライドや姿勢が感じられて素敵ですね。そして、今でも現役のヒット屋として仲間由紀恵ｗｉｔｈダウンローズの「恋のダウンロード」でヒットを飛ばしているところが素晴らしい。

去年の年末、阿久悠の作詞家生活40年周年の特番をTBSでやっていたけど、阿久悠にはもう現役の作詞家としての力は残っていないという感じでした。いかにも年寄りが言うような「最近の歌は何を言っているのか分からない」とか「最近の歌は日本語を大切にていない」みたいなことを言っていた。私は特に阿久悠が嫌い言うわけではないが、過去の栄光ばかりに固執し、現代を理解しようともしない普通の年寄りにしかみえませんでした。作詞家の阿久悠と作曲家の筒美京平を単純に比較することはできませんが、「ヒット屋」として生涯現役であり続けようとしている姿勢や「大先生」のような姿勢でマスコミに現れない筒美京平はやっばり素敵だと思います。

しかし、CD「ＴＨＥ　ＨｉＴ　ＭＡＫＥＲ―筒美京平の世界」の内容は確かに豪華なヒットバレードなのですが、あまりにも有名な曲ばかりなのであまりありがたみが感じられない。ディスク5はカバー/リメイクを集めた感じで少しは工夫しているようですが、もう一捻り欲しいですね。正直な話、年代別のヒット曲のコンピレーションアルバムを何枚か借りるとここのCDに入っている曲の8割くらいは集めることができます。そこがまた、筒美京平の凄いところなのですが。

ディスク： 1

1.渚のうわさ / 弘田三枝子

2.バラ色の雲 / ヴィレッジ・シンガーズ

3.スワンの涙 / オックス

4.ブルー・ライト・ヨコハマ / いしだあゆみ

5.サザエさん / 宇野ゆう子

6.雨がやんだら / 朝丘雪路

7.また逢う日まで / 尾崎紀世彦

8.さらば恋人 / 堺正章

9.真夏の出来事 / 平山三紀

10.17才 / 南沙織

11.青いリンゴ / 野口五郎