ぶら~りネット探訪

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『みなさん、さようなら』を見た

中村義洋監督、濱田岳主演の『みなさん、さようなら』を見ました。

『はじまりのみち』での濱田岳の便利屋が非常に印象的で、ちょうど早稲田松竹濱田岳主演の『みなさん、さようなら』と『横道世之介』の二本立てをやっていたので見てみました。

団地に住む渡会悟は中学生になる前に団地から一歩も出ずに生きていくことを決める。団地の外にある中学校には通わずに団地の中で独自の生活を送る。悟の母や周囲はそれを見守っていく。悟は団地の中で仕事を見つけ、恋をして成長していくが団地も時とともに変化していくといったお話。濱田岳は中学入学から30歳まで一人で演じていますが特に違和感はありません。その代わり団地そのものも含めた周囲の人々や風景は変わっていきます。そして物語の終盤では悟自身も変化を強いられます。

悟は大山倍達に憧れて空手を始めます。団地内に極真の道場はないので独学で空手学ぶことになます。これは伏線になっていて後半で見事に回収されます。

団地の隣に住む同級生の松島有里(波瑠)の髪型や化粧の変化が時間の経過を感じさせるような演出になっているのが上手かったですね。有里は最初はメガネをかけた優等生タイプだったのが、タバコ吸ったり色気づいて派手になっていくところが面白かったです。

悟と有里のベットシーンもありました。オッパイとか裸は映りません。しかし、服の上からオッパイを触ったり、お互いの股間を触りあったりするだけなのに妙に生々しくエロい感じがしました。山本直樹の軽めのエロ漫画のような感じですね。

物語の中盤で悟がなぜ団地から出ないかの秘密が明かされます。この辺りからコメディタッチだった雰囲気が重くシリアスになっていきます。団地から年々、悟の同級生は去っていき、団地全体の人口も減り団地内の商店街はシャッター商店街になり、団地には外国人も住み始めます。悟は団地にやって来たブラジル人の少女と仲良くなったりします。この辺は富田克也監督の『サウダーヂ』を思い出します。ブラジル人の少女のために立ち上がるところは『キック・アス』みたいでもありました。

典型な通過儀礼としての物語となっている映画でした。派手さはないけど『キック・アス』に重なる部分は空手を使うシーン以外でもいくつかありました。結局のところ「あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ」と言った感じの映画でした。

濱田岳意外のキャストも良かったですね。何も言わず暖かく見守る悟の母親役の大塚寧。悟の勤め先であるケーキ屋の主人のベンガルは厳しいけど相変わらずのトボけた感じが良かったですね。悟と婚約する緒方早紀は倉科カナが演じていて演技は申し分ありませんが、全くオッパイが強調されていなかったのが残念でした。悟の隣の部屋の有里を演じていた波瑠という女優が一番印象に残りました。メガネを外したら美人という典型的な感じですね。調べてみたらモデルもやっていて、けっこう映画やドラマ、CMに出ているようですが初めて知りました。

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