『わろてんか』は吉本興業の創業者吉本せいをモデルにしたドラマで主演は葵わかなです。大阪制作の朝ドラは2014年の『マッサン』から実在の人物、実在の企業をモデルにしたドラマが続いています。ゴールが分かっているので安心して見ていられる反面、ドキドキ感がないのが難点です。
ヒロインのてんが主体的に動いて物語を作っていくことが少ないのと演技経験があるはずの葵わかなの演技が思わしくないところが昭和の朝ドラを見ているような気分になります。
崇徳院を巡るエピソードはそれなりに面白かったです。崇徳院といえば『ちりとてんちん』でもやっていました。
安来節乙女組のエピソードでは大後寿々花が出てきたのに驚きました。テレビドラマで大後寿々花を見たのは『明日、ママがいない』以来です。安来節乙女組の中に「小豆沢とわ」という役名が出ていたので「千早振る」に絡めてくるのかと思ったら何もありませんでした。
安来節乙女組のエピソードの頃から広瀬アリスの髪型がおかっぱになって、妹の広瀬すずに見える時ありますが、ブルゾンちえみに見える時もあります。
このドラマで一番得をしているのは広瀬アリスか濱田岳じゃないかと思います。広瀬アリスが演技をしているのは初めて見ました。ヒロインの葵わかなとの対比や我儘でちょっと意地悪な役柄のせいで芸達者に見えます。
濱田岳は色々な演技の引き出しがある所を惜しみなくこれでもかというくらい見せつけてくれます。濱田岳は『釣りバカ日誌』で浜崎伝助を演っているそうですが、すぐにでも西田敏行の枠というかポジョンに嵌まりそうな気がします。
月の井団吾のモデルは桂春団治だと分かりましたが、ミスワカナ、エンタツ・アチャコといった人たちはどうなるのか興味があります。余談ですが来年の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』では古今亭志ん生を森山未來とビートたけし演じるそうです。志ん生と言えば関東大震災と終戦直後の酒のエピソードが有名ですが、この辺は映像化されるのかが一番気になります。