エノケンから柳沢慎吾まで、昭和のコミックソングを集めたコンピレーションCD、『ALWAYS外伝-昭和爆笑伝説-』を聞いてみました。
ビートたけしの『俺は絶対テクニシャン』を聞きたくて、色々と探していたらこのCDを見つけました。
『俺は絶対テクニシャン』は作曲は遠藤賢司、作詞は来生えつこという不思議な組み合わせの曲で、ジャンル的にはテクノ歌謡になると思います。
女性コーラスの「ピコピコ パコパコ スコスコ キンキン」という歌詞がまず凄いです。テクノポップをおちょくった来生えつこの歌詞は今一つ笑えません。ビートたけしがアドリブでテキトーに叫んでいる、「ビニール本」、「コマネチ」、「金平会長」といった言葉が非常に時代を感じさせます。
クレージーキャッツ、ドリフといった有名なコミックソングに混じって『ヤスジのオラオラ節(その2)』、『恐怖のこまわり君』、『ブタが銭湯にやってきた』といった非常にマニアックなコミックソングが収録されているのもこのCDの大きな魅力です。
『ヤスジのオラオラ節(その2)』は漫画家の谷岡ヤスジが歌っています。当然、「アサー!」と叫んでいます。イントロや間奏、エンディングはなぜかレッドツェッペリンの『移民の歌』風になっていますが、歌メロは全く違うところが素晴らしい。
『恐怖のこまわり君』は曲よりも間奏の子供電話相談室みたいな一人芝居というかコントみたいな所がとにかくバカバカしくて笑えます。曲の方は10cc『シリー・ラヴ』にインスパイアされているようです。
『ブタが銭湯にやってきた』はタイトルどおり、銭湯にやってきたブタを目撃した人の証言を繋ぎあわせた構成になっています。外人の証言でシャンプーを飲んでしまったブタを「泡食っちゃたんだよね」と言っている所が笑えます。
『ムキムキマンのエンゼル体操』はかたせ梨乃とカツヤクキンが歌っています。作曲は小坂忠で作詞は幸福の科学で有名な今は亡き景山民夫。
『俺はぜったい!プレスリー』は吉幾三の最初のヒット曲。何十年ぶりかで聞いたのですが、伴奏がエレキギター1本というのに驚きました。
ケーシー高峰の『そりゃあないぜセニョリータ』もいいですね。歌い出しの「銀座、赤坂、ラスベガス」という歌詞が素敵です。銀座、赤坂ときたら六本木か、あるいは歌舞伎町、錦糸町といった地名が来るかと思ったらいきなりラスベガスに飛ぶとろこがたまりません。「女」は「ナオン」、「バツグン」は「グンバツ」と業界用語風の逆さか言葉の歌詞も良いですね。
『へんな女』を歌っているのは第1回日本レコード大賞を『黒い花びら』で受賞した水原弘。水原弘と言うとハイアースりホーロー看板を思いだします。
古今亭志ん朝、月亭可朝、三遊亭円丈といった落語家の曲も入っています。志ん朝の歌声はこのCDで初めて聞きました。『いやんばか~ん』は林家木久蔵(初代)という表記なっています。