ぶら~りネット探訪

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『ランナウェイズ』を見た

フローリア・シジスモンディ監督、クリステン・スチュワートダコタ・ファニング主演の『ランナウェイズ』を見ました。

ランナウェイズは70年代後半のアメリカに現れたガールズロックバンドのことで、この映画はランナウェイズの伝記映画です。

私はリアルタイムではランナウェイズは知りません。ランナウェイズの曲も『Cherry Bomb』しかし知りません。去年の今頃、町山智浩さんが『小島慶子キラ☆キラ』でこの映画を紹介していたのを聞き、ずっと気になっていて、このたびやっと見ることができました。

クリステン・スチュワート演じるジョーン・ジェットとダコタ・ファニング演じるシェリー・カーリーを中心に話は進んでいきます。ジョーン・ジェットが貯めた小遣い(ほとんどがコイン)で買った革ジャンを着て走り出すと、スージー・クアトロの『The Wild One』がかかって 、『The Runaways』とタイトルが現れます。このシーンでいきなり痺れました。

クリステン・スチュワートは確かにジョーン・ジェットによく似ているように見ました。とは言っても私はジョーン・ジェットとプリテンダーズのクリッシー・ハインドの区別があまりつきません。ダコタ・ファニングシェリー・カーリーは油断すると安達祐実に見える時が何度かありました。

シェリー・カーリーはデヴィッド・ボウイに憧れていたようで、『アラジン・セイン』のジャケットのようなメイクをし『薄笑いソウルの淑女』のレコードかけて学園祭で当て振りみたいなことをやります。実際にシェリー・カーリーのキャラクター設定はグラムロック時代のボウイだったそうです。確かに髪型はジギースターダストとい感じがしました。

サウンドトラックの情報をみると劇中で歌われるランナウェイズの曲のほとんどはダコタ・ファニングクリステン・スチュワートが歌っています。映画を見ているときは二人の歌やステージアクションは全く違和感がないどころか、かなり完成度の高い物に仕上がっているように見えました。フローリア・シジスモンディという人は今回が長編映画を撮るのは初めてということですが、ミュージックビデオを撮っていたことがあるそうなので、おそらくその辺の経験が上手く作用しているのかと思います。

この映画はR15指定になっています。セックス、ドラッグ、ロックンロールの世界をかなり赤裸々に描いるので致し方無いと思います。とは言ってもセックスについてはそれほどでもなく、ドラッグの部分が問題になったのだと思います。デビュー当時のランナウェイズの平均年齢は16歳ですが、当たり前のようにドラッグをやっているシーンが描かれています。日本に向かう飛行機の中で、到着が近づいて急いでドラッグを始末するシーンは笑えました。ステージの袖でダコタ・ファニングがヒールで錠剤を砕いて、その粉をスニッフィングするシーンもなかなか見事な感じでした。

エルビス・プレスリーにはパーカー大佐、セックス・ピストルズにはマルコム・マクラーレンがいたように、ロックにはヤクザな詐欺師みたいなつきもので、ランナウェイズにもキム・フォーリーというマネージャーというかプロデューサーみたいな人間がいます、キム・フォーリー役のマイケル・シャノンという役者の演技はかなり大袈裟でステレオタイプな感じでしたが、それはそれでなかなか味わい深ものがありました。

ランナウェイズのジョーン・ジェットとシェリー・カーリー以外のメンバーについてほとんど触れていなかったり、ランナウェイズが空中分解していくところがかなり急展開だったり、ツッコミ所も色々とありますが、けっこう楽しめました。一番残念な所は、シェリー・カーリーを「激写」するカメラマン(篠山紀信)の頭が爆発したアフロヘアーじゃなかった所ですかね。

エンドロールでかかるジョーン・ジェットの『Bad Reputation』は『キック・アス』でヒット・ガールが暴れるシーンで使われていました。

ちなみに、映画を見終わってから知ったことですが、シェリー・カーリーの母親役は『がんばれベアーズ』でお馴染みのテータム・オニールでした。

ランナウェイズ - 11 x 17 映画ポスター - B型