ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

『ザ・ファイター』を見た

デヴィッド・O・ラッセル監督、マーク・ウォールバーグ主演の『ザ・ファイター』を見ました。この映画でクリスチャン・ベールメリッサ・レオアカデミー賞助演男優賞助演女優賞をとっています。

実在のボクサー、ミッキー・ウォードがトレーナーで実兄のディッキー・エクルンドや家族、恋人に支えられながら世界チャンピオンに登りつめるお話。

『ロッキー』や『あしたのジョー』みたいな話かと言われれば、確かに基本的な展開はそれらの映画と大きな違いはありません。この映画の面白いところはボクシングのシーンや主人公の姿よりも主人公を取り巻く家族、恋人のキャラクターの強烈さです。

クリスチャン・ベールが演じるディッキー・エクルンドは伝説のチャンピオン、シュガー・レイ・レナードと戦ってダウン(実はスリップダウン)を奪ったことがあるボクサーで、「ローウェルの誇り」と呼ばれている。でも今はヤク中のダメ兄貴。ヤク中なので体はガリガリで常にハイな状態。薬をやっているところに母親や弟に踏み込まれて、2階からゴミ溜めに飛び降りるところは笑えました。クリスチャン・ベールというと『ダーク・ナイト』や『リベリオン』での、ちょっと冷たい感じのする2枚目というイメージでがありましたが、この映画では徹底的にダメ兄貴を熱演しています。

母親役のメリッサ・レオも強烈でミッキー・ウォードのマネージメントもやっているのですが、9キロも体重が上の選手との試合を組んだり、やっている事が滅茶苦茶。亀田一家の亀田史郎の方がまだまともに思えたりしてきます。

ミッキー・ウォードの恋人役はエイミー・アダムスが演じています。エイミー・アダムスは『魔法にかけられて』でディズニープリンセスを演じていましたが、この映画ではガラの悪い飲み屋の女で、ミッキー・ウォードの母親や姉たちといがみ合い、殴り合いまでやってしまいます。エイミー・アダムスはけっこう肌の露出するシーンが多いのですが、二の腕やお腹がちょっとタプタプした感じに見ました。でもそこがイイ感じでエロく、この映画の見所の1つでもあります。

前半はリングの中の戦いよりも、リングの外の家族とのゴタゴタが大変という感じで、ボクシング映画というよりも大家族ものテレビを見ているような気分になりました。でもこれが、面白いし、後半のタイトルマッチへ向けてのタメになっています。

ボクシングの試合のシーンは正直、もう一工夫欲しかったですね。タイトルマッチの前の試合とタイトルマッチの試合展開がほとんど同じというのはどうにかして欲しかった。でも、タイトルマッチでクリスチャン・ベールマーク・ウォールバーグに言葉をかけるシーンはグッとくるものがありました。

ミッキー・ウォードが獲ったタイトルはWBU世界スーパーライト級王座だそうです。WBUというボクシング団体はこの映画で初めて知りました。ボクシング団体というとWBAWBCIBF、そしてWBOまでしか知りませんでした。

この映画のサウンドトラックは既存のロックの曲が使われています。ミッキー・ウォードの入場テーマはホワイトスネイクの『Here I Go Again』でした。ミッキーとディッキーの兄弟が逮捕されるシーンではレッド・ツェッペリンの『Good Times Bad Times』、ミッキーとシャーリーン出会いのシーンはホール&オーツの『Sara Smile』がかかっていました。その他にもエアロスミスローリングストーンズなんかもかかっていました。

震災の後ということや、公開規模が小さく宣伝もあまりされてないことで、客席はガラガラでした。面白い映画なのでもったいないですね。

ザ・ファイター - 映画ポスター - 11 x 17