ぶら~りネット探訪

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『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を見た

ジェイ・ローチ監督、ブライアン・クランストン主演の『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を見ました。

1940年代、ハリウッドで脚本家として成功していたダルトン・トランボ共産党員だった。第二次大戦が終わり、冷戦が始まった1950年代アメリカでは「赤狩り」が始まり、トランボは下院非米活動委員会の公聴会に召喚される。公聴会でのトランボは「あなたは共産党員か?」という質問に対して証言を拒み、議会侮辱罪で有罪になり収監されてしまう。ハリウッド追放され脚本家という職業も奪われたトランボだったが、偽名を使いB級映画の脚本を書き家族養っていくというお話。

一度は栄光を掴みかけた男が窮地に追い込まれるが不屈の闘志と家族の協力で名誉を回復し栄光掴むというお話。さらにダルトン・トランボは実在の人物で50~60年代のハリウッド・スターが絡んだり、誰もが知っている名作の名場面が出てきたり、後にアメリカ大統領になるロナルド・レーガンの名前も出てくるので面白く無い訳がありません。

町山智浩は『トランボ』と『ヘイル・シーザー』を合わせてみた方が分かりやすいと言っていました。『トランボ』→『ヘイル・シーザー』の順で見たほうが時代背景や細かい人間関係が分かり易い気がします。早稲田松竹なら3ヶ月後くらいに『トランボ』と『ヘイル・シーザー』の2本立てをやりそうです。

ブライアン・クランストンを演じたブライアン・クランストンはテレビドラマの『ブレーキング・バッド』やハリウッド版『GODZILLA』に出ていた人です。眼鏡をかけ鼻髭を生やした風貌は私には漫画家の吾妻ひでおに見えました。

トラボンの妻クレオダイアン・レインが演じていました。『マン・オブ・スティール』や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でスーパーマンの母親役を演じていたときのダイアン・レインはかなり老けた感じでしたが『トランボ』ではそんなに老けた感じはしませんでした。トランボの長女のニコラはエル・ファニングが演じていました。エル・ファニングを映画で見たのは『ヴァージニア』以来でした。姉のダコタ・ファニングはどこへ行ったのでしょうか?

色々なところで既に言われていますがB級映画会社の社長を演じているジョン・グッドマンが凄く良かったです。ジョン・グッドマンは『アルゴ』での特殊メイクアーティストの役も良かったです。『アルゴ』も実話に基づく話でした。

映画を見終わってから『たまむすび』で町山智浩がこの映画を紹介した時のポッドキャストを聞き直してみました。この映画がアメリカで公開されたとき、共産主義や当時のソ連の状況についての描き方が甘いということで批判があったこと等を改めて聞いてみると、この映画で単純なカタルシスを覚えてしまった自分が少し気恥ずかしい気持ちになったりしました。

そして森達也佐村河内守について撮った『FAKE』についても考えてしまいました少し無理な感じはしますが世間から袋叩きにあい社会的に抹殺されたトランボと佐村河内守似ている気がします。トランボの脚本家としての才能は本物だったので再び日の目を見ることができましたが佐村河内守の場合はどうなんでしょう。

Trumbo