ぶら~りネット探訪

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クロエ・モレッツ版『キャリー』を見た

キンバリー・ピアース監督、クロエ・グレース・モレッツ主演『キャリー』を見ました。スティーブン・キングが原作の『キャリー』は1976年にブライアン・デ・パルマ監督、シシー・スペイセク主演で製作されています。

私の中では今年の最優秀ワースト・リメイク賞を『マン・オブ・スティール』と争う映画という感じした。クロエが普通に可愛いのはしょうがないとしても、ブライアン・デ・パルマの独特の演出がないとしても、なんとも残念な映画でした。イジメといじめられっ子の復讐劇だけに焦点が絞られすぎて、母親の異常さや、母子関係の異常さ、そしてこの親子が孤立している様子がかなり省略されていて、話に厚みがなくなっていたのが残念でした。

キャリーが自分が持つ超能力に気づくのがかなり早く、超能力をコントロールできているのもいただけなかったですね。クライマックスのプロム会場での惨劇はキャリーが自分の力を制御できなのと怒りで我を忘れてしまって不可抗力で惨劇が拡大してしまうという展開じゃなくて、割りと冷静に仕返しで人を殺しているところは笑えるのですが悲劇性はかなり薄くなっていました。

クラスの女子のいじめっ子グループはほとんどクリスとスーしかキャラ付けがされていなかったのも残念なところでした。スーがすぐ改心しているのが分かるのも興ざめでした。スーが妊娠しているという設定はよく分かりませんでした。

一番、残念な所はキャリーのイジメられている時の顔の表示とプロムでクイーンになった時の顔表情にそれほど落差が無いところですね。これはクロエ自身が可愛いというのもありますが、演出の問題の方が大きいと思います。『ローラーガールズ・ダイアリー』ではエレン・ペイジローラーゲームに出会う前と後で劇的に変わっていました。メガネという小道具も使っていました。『ローラーガールズ・ダイアリー』の監督はドリュー・バリモアで、クロエ版『キャリー』の監督もキンバリー・ピアースも女性です。

やっぱりクロエのアイドル映画として割りきって見るのがいいじゃないかと思います。クロエは確かに可愛いのですがスー役のガブリエラ・ワイルドの身長や脚の長さには驚きました。顔はぱっと見、エル・ファニングに似ていて完璧な感じです。ガブリエラ・ワイルドは元々モデルをやっていたそうです。クロエは残念ながら美人なタイプではありません、まっ、そこがいいんですけどね。

ジュリアン・ムーアが演じたキャリーの母親役は悪くはなかったですね。1976年版パイパー・ローリーとそれほど遜色はなかったと思います。1976年のデ・パルマ版と比べて2013年版が残念だと思うのは「思い出補正」のためではありません。私がデ・パルマ版を見たのは2013年の6月です。そのときにも書いたのですが、デ・パルマ版のエッセンスを上手く取り入れて成功した最近の映画は『ブラック・スワン』だと思います。

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