ぶら~りネット探訪

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叶井俊太郎の『ビッグヒットは五感でつかめ!』を読んだ

この本は、くらたまこと倉田真由美の旦那で倒産したトルネード・フィルムの社長だった叶井俊太郎が書いた本です。 トルネード・フィルムは4月1日付けで倒産しました。負債総額は約3億円だそうです。ちなみに『アメリ』(配給はトルネード・フィルムではなくアルバトロス)の興収は約16億円だったそうです。今週の週刊朝日くらたまの連載コラムで倒産に関する話が書いていました。このニュースのタイトルのほとんどが「トルネード・フィルム倒産」ではなく、「くらたま夫の映画会社が倒産と書かれていたのには味わい深いものがありました。 この本は2002年、叶井俊太郎がアルバトロスという映画会社に所属していたときに書かれたものです。正式なタイトルは『ビッグヒットは五感でつかめ!―何があってもめげない仕事術 「10年後なんて考えられない」という君へ』です。長いタイトルですね。私はスタンリー・キューブリックの『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』を思い出しました。 表紙は叶井俊太郎が買い付けて大ヒットした『アメリ』のポスターのパロディになっています。それにしても、「何があってもめげない」と「10年後なんて考えられない」という言葉が今になって考えると意味深ですな。 「読書のみなさんへ」で、この本はあくまでビジネス本だと書かれています。確かに各エピソードの最後には、そのエピソードから学べる教訓のようなモノが書かれていて勉強になるような感じに見えます。しかし、叶井俊太郎の最大のヒット『アメリ』を買い付けたときの有名なエピソードを読むと、「映画は博打だ」と「運がよかった」いう感想しか湧いてきません。 叶井俊太郎の独特のセンスによる映画の買い付けや映画の宣伝についてはそれなりに面白いのですが、どうも叶井俊太郎が必死に頑張れば頑張るほどヒットから遠ざかっているような感じがします。この『クイーン・コング』が失敗したのは9.11テロのせいと書いていいます。「1秒先には何が起こるか分からない。日本での映画公開にテロ事件が影響する現代」といフレーズには笑えます。 インド映画『アシュラ』では観客動員数0を記録したそうで、このエピソードの最後には「大失敗の責任は逃げたら取れない。リベンジする勢いで再挑戦しょう」と書かれています。今の叶井俊太郎にはぜひこの言葉を思い出して再帰して欲しいものです。 叶井俊太郎は『アメリ』の他には、『えびボクサー』の配給、『いかレスラー』『ヅラ刑事』や『日本以外全部沈没』など、河崎実監督作品を多数、企画、プロデュースを行っているそうですが、幸か不幸か私は叶井俊太郎がかかわった映画は1本も見たことがありません 『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』は水野晴郎先生の最後の出演作でしたね。みうらじゅんリリー・フランキーウルトラマン古谷敏黒部進も出ていたようです。 最近映画に関する本では押井守の『勝つために戦え!〈監督篇〉』を読んだばかりなのですが、全く方向性の違う本でした。この後、叶井俊太郎は映画に関わる仕事を続けていけるのか注目したいですね。 ビッグヒットは五感でつかめ!―何があってもめげない仕事術 「10年後なんて考えられない」という君へ
ビッグヒットは五感でつかめ!―何があってもめげない仕事術 「10年後なんて考えられない」という君へ