ぶら~りネット探訪

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『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を見た

マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を見ました。

 

上映時間が206分で、覚悟していましたがやっぱり長かったです。途中で3回ぐらい意識を失いました。

 

1920年代のアメリカのオクラホマ州オーセージで銭のためなら自分の妻の姉妹を手にかけて、自分の妻にも毒を盛って殺しかけるアーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリ)のお話。アーネストを操っているのは叔父のウィリアム・ヘイル(ロバート・デ・ニーロ)。

 

話しとしては園子温監督の『冷たい熱帯魚』に似ているように思えました。表向きは柔和で良い人の様な見えるデ・ニーロ演じるウィリアム・ヘイルは実は銭のためなら平気で人を次々に殺すところや、よく分からないうちにウィリアム・ヘイルに片棒を担がされて悪事を働く羽目になるアーネストの関係は『冷たい熱帯魚』の村田(でんでん)と社本(吹越満)に非常に良く似ています。実際の事件をもとにしているところも含めて。ウィリアム・ヘイルがアーネストの文字通り尻を叩くシーンがとても印象的でした。「私はフリーメソンのメンバーで、云々」とも言っていましたがフリーメソンのメンバーという告白は相手を驚かせることができるのでしょうか?

 

終盤、設立されたばかりのFBIがアーネストに接触してきます。FBIはJ・エドガー・フーヴァーの命令でやってくるのですが、ディカプリオは以前、J・エドガー・フーヴァーも演じていました。その映画のJ・エドガー・フーヴァーの正義の味方ではなく、大統領やキング牧師の電話を盗聴しスキャンダルを掴んで脅迫するという、これまた酷い人間として描かれていました。

 

映画は裁判のシーンで一件落着となり、普通の映画の場合は登場人物の後日談はエンドロールのところでテロップで語られるのが普通ですが、この映画はラジオドラマ(なぜか舞台で観客もいる状態)の様な感じ後日談が語られます。舞台には効果音を入れる音効さんもいて、最後にはマーティン・スコセッシも登場します。提供はラッキーストライクでした。

 

エンドロールでは寄席の追い出し太鼓のようなネイティブアメリカンの太鼓が少しだけ鳴って、その後は音楽はなく虫の音、コヨーテ?の鳴き声、雷の音などのSEが散発的に聞こえる形になります。これは『沈黙 -サイレンス-』でもやっていました。

 

音楽は8月に亡くなったロビー・ロバートソンでした。ロビー・ロバートソンの劇伴の他にも1920~1930年当時の音源も使われていたようでした。私が唯一、分かったのはブラインド・ウィリー・ジョンソン『Dark Was the Night, Cold Was the Ground』という曲です。カウボーイたちが夜中に野焼きのようなものをしているシーンでかかっていました。ブラインド・ウィリー・ジョンソンはレッド・ツェッペリンの『Nobody's Fault but Mine』の元ネタである『It's Nobody's Fault but Mine』を歌っています。