ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

『JIMI:栄光への軌跡』を見た

ジョン・リドリー監督、アンドレ・3000主演による伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの伝記映画『JIMI:栄光への軌跡』を見ました。

ミュージシャンの伝記映画はけっこう好きで、あまりよく知らないミュージシャンの伝記映画でも見たりします。ジミ・ヘンドリックスは好きでオリジナル・アルバムはもちろん、ライブ盤の音源もひと通り聞いています。

ジミヘンの活動期間は5年弱で死後に発表されたライブ音源の方が圧倒的に多く、21世紀になっても音源が発売されています。死んだ後でも延々と音源が発掘され発表れ続けているのはジミヘンの他には落語家の古今亭志ん生が思い浮かびます。

映画はアメリカでくすぶっていたジミヘンをリンダ・キースが発見。プロデューサーやミュージシャンにジミヘンを紹介するうちに、アニマルズのチャス・チャンドラーによってロンドンに呼び寄せられ、道場破り的なセッションを繰り返して行くうちにチャンスを掴み、アメリカのモンタレー・ポップ・フェスティバルに出演するまでのお話。

ちょっとネタバレになりますが、ギターに火をつけたり、『The Star Spangled Banner』を演奏するシーンはありません。

この映画の凄いところはジミヘンの著作権を管理する団体から許可が下りなかったため、ジミヘンのオリジナル音源はもとより、ジミヘンのオリジナル曲のカバーも一切かからない所です。『パープル・ヘイズ』も『フォクシー・レディ』も『ストーン・フリー』も『リトル・ウイング』もかかりません。もちろん『パーブル・レイン』も『パープル・タウン』もかかりません。

アンドレ・3000が演じるジミヘンはかなり似ています。顔かたちはもちろん、声と話し方もかなり似ていました。当たり前ですが肝心のライブのシーンのギターの歌声は全く似ていませんでした。

ライブシーンはそれなりにありますが、メインはリンダ・キースを始めとするジミヘンの女性関係です。ジミヘンの浮気とリンダと痴話喧嘩というパターンが何度か繰り返されるのはかなり苦痛でした。

クライマックスはビートルズのメンバーや当日のスターを前にしたロンドンでのライブです。もちろん、演奏されるのはジミヘンのオリジナル曲ではなくビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』でした。この音源は私も持っています。映画の中でジミヘンはフライングVを使っていました。

この映画を見て、P-Funk Guitar Army のジミヘンのトリビュートアルバムを思い出しました。このアルバムにもジミヘンのオリジナル曲は1曲も収録されていません。P-Funkがジミヘンの影響を強く受けているは初期のファンカデリックを聞けばわかります。そう言えばこのトリビュート盤が出る前にエディ・ヘイゼルは死んでいて、エディ・ヘイゼルの曲は他のアルバムで既に発表済みの曲でした。

『JIMI:栄光への軌跡』は既存のミュージシャンの伝記では満足できないという人にはオススメです。

JIMI: ALL IS BY MY SIDE