ぶら~りネット探訪

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爆音映画祭で『ソウル・メン』を見た

吉祥寺のバウスシアターで行われている爆音映画祭で『ソウル・メン』を見てきました。 『ソウル・メン』はマルコム・D・リー監督、サミュエル・L・ジャクソンバーニー・マック主演の2008年に公開された映画です。日本では劇場公開はなくDVDのみ発売されている作品。今回の爆音映画祭での上映が日本での初めての上映だったそうです。 マーカス・フックス&リアル・ディールは60年代から70年代にかけて活躍したR&Bグループ。70年代後半にマーカスがソロに転向したため、フロイドとルイスはリアル・ディールとして活動しようとするが、すぐにケンカ別れしてしまう。二人は音楽から足を洗っていたが、マーカスが急死、アポロシアターで行われる追悼公演でフロイドとルイスはリアル・ディールを再結成することになるのだが、というお話。 サミュエル・L・ジャクソンバーニー・マックが主演でR&Bがテーマの映画では確かに日本でロードショー公開するのは難しいのは納得できます。しかし、もったいないですね。単館でも上映すれば良かったのにと思えるほどの面白さでした。特にR&Bの知識がなくても楽しめるし、R&Bがある程度好きならさらに楽しめる映画でした。 冒頭のマーカス・フックス&リアル・ディールのこれまでの歴史を簡単に振り返るシーンが、R&Bの歴史が分かるようになっている所で痺れました。ドゥーワップ風のコーラスグループからソウル、ファンクを経て現代のヒップホップ的な要素を含むR&Bに変わっていく姿をテンポよく見せてくれます。音楽のスタイルの変化とともに髪型と服装も変わっていくところも見所です。 78年にマーカスがソロに転向するシーンで、マーカスはステージのUFOからバップガンを持って降りてきます。この姿はP-FUNKジョージ・クリントンパロディなわけですが、いきなりP-FUNKネタが出てきて驚きました。 サミュエル・L・ジャクソンバーニー・マックの2人がアメリカの西海岸から東海岸、ニューヨークのアポロシアターを目指して車で旅をするというのがこの映画のメインのお話。途中の街でリハビリ的にライブをこなしたり、昔、二人が恋仲だった女の娘を訪ねたりしながら旅は進んでいきます。ありがちな話と言いえばありがちですが、サミュエル・L・ジャクソンバーニー・マックの絶妙なコンビネーションが素晴らしく、泣いて、笑って、喧嘩してという感じで全く飽きることなく見ることができました。 『ブルース・ブラザーズ』のようにR&Bの大物ミュージシャンがたくさん出てくるような映画ではなく、実在のR&Bのミュージシャンはアイザック・ヘイズしか登場しません。しかも歌はありません。おそらく予算の関係だと思います。 マーカス役の俳優が老けたジョン・レジェンドみたいだ思って見ていたら、ジョン・レジェンド本人でした。ジョン・レジェンドが動いているシーンはほとんどなく、ほとんどのシーンは遺影というのは残念でした。冒頭でかかっていた『I'm Your Puppet』はサントラでは本当にジョン・レジェンドサミュエル・L・ジャクソンバーニー・マックの三人で歌っているようです。 ジョン・レジェンドは去年ザ・ルーツと組んで60~70年代のR&Bのカバーアルバム『Wake Up!』をリリースしていましたが、この映画の影響なのでしょうか? エンドロールでバーニー・マックのインタビューが入っているので、何かと思ったらこの映画の製作中にバーニー・マックアイザック・ヘイズが亡くなり、この映画は二人の遺作となってしまったそうです。 大傑作とは言えませんが、楽しい映画であるのは間違いありません。爆音映画祭でこの映画に出会えたのはラッキーでした。 ソウル・メン [DVD]