ジョン・レジェンドとザ・ルーツと組んだカバーアルバム『Wake Up』を聞いてみました。
私はザ・ルーツというグループはこのアルバムを聞くまで全く知りませんでした。ヒップホップのグループでありながらバンドの形態をとっているという珍しいグループだそうです。ブレイクビーツやサンプリングも使っているようなのですが、基本的には生演奏を主体としているようです。
ギターとドラムの音は昔の音源からのサンプリングのように聞こえます。特にドラムの音に非常に臨場感があり、ライブ録音の様な感じさえします。いい意味でのサウンドの古臭がジョン・レジェンドのソウルフルな歌声にあっていて、ちょっとだけ聞くと2010年の録音とは思えない仕上がりになっています。しかし、ザ・ルーツはヒップホップのグループなので当然、ラップもフューチャーされているので、全体的には現代的な面も随所に感じられる構造になっています。
このアルバムでカバーされている曲は60年代~70年代のソウル、R&Bでマーヴィン・ゲイ、カーティス・メイフィールド、ダニー・ハサウェイ、ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツといった人たちの曲が取り上げられています。
ダニー・ハサウェイの『Little Ghetto Boy』はドクター・ドレーが『Lil' Ghetto Boy』としてカバーしていたのを聞いて知っていました。マーヴィン・ゲイの『wholy holy』は『What's goin on』に入っている曲なのですが全く気が付きませんでした。カーティス・メイフィールドはサントラの『Super Fly』や『Move On up』、『People Get Ready』といった曲は聞いたことがありましたが、『Hard Times』という曲はこのアルバムで初めて知りました。なので、このアルバムに入っている曲で知っている曲は『Little Ghetto Boy』だけでした。
このアルバムで取り上げられている曲の歌詞はメッセージ性の強いものが多いという話を聞いたことがあるのですが、英語に弱い私には全くこの辺の事情は分かりません。輸入盤を買ったので対訳ももちろんありません。オリジナルをほとんど知らなくても、歌詞のメッセージが分からなくてもこのアルバムは楽しめした。ファンク、R&Bが好きな人なら普通に楽しめアルバムだと思います。
ザ・ルーツは1970年代にアメリカで放送された黒人奴隷の歴史を扱ったドラマ『ルーツ』きているそうなので、メッセージ性が強くなるのも頷けます。そういったアティテュードとは別にザ・ルーツのサウンドには興味が湧き、他のアルバムも聞いてみたくなりました。
ちなみに『ルーツ』の主人公の名前はキンタ・クンテで江頭2:50の元相方はコンタキンテでした。こちらも『ルーツ』が元ネタのようです。
Wake Up