NHK教育で放送された『LIFE 井上陽水 40年を語る 第三夜』を見ました。今夜は中だるみ対策としてリリー・フランキーさんが登場。陽水とリリーさんとの対談を中心に陽水の「不思議な素顔」に迫るという内容でした。
第一夜、第二夜の硬めで緊張感のあるドキュメンタリー的な構成とは全く違う、ゆるい感じでライブの映像も少なめで、いい意味での中だるみ感漂う内容でした。
陽水とリリーさんの対談は他愛もないバカ話がダラダラと続くのですが陽水はリリーさんの本を全く読んでいないという話や、陽水が博多の飲み屋で女の子に「あなたゲイでしょ?」と言われ話は笑いました。
ナレーションを宮沢りえがやっているのは、宮沢りえが出演した映画『たそがれ清兵衛』の主題歌が陽水の『決められたリズム』だった縁だそうです。宮沢りえが陽水の曲で好きなのは『Just Fit』。ちなみにこの曲は沢田研二に提供した曲です。ドライブ感のあるサウンドにシュール歌詞、私も好きです。
テレビや映画についての話も面白かったですね。一時期は人生の三分の一は麻雀をやっていたと思ったが、やっぱりテレビを見ている方が多いそうだ。古いテレビ番組の映像がNHKだけでなく民放のものも流れていました。さらに陽水自身が出演したとんねるずとのコントの映像まで出てきました。
陽水は「世の中で一番尊い仕事は笑いを与える仕事」「自分の曲もしみじみして良い曲というより笑ってもらえる方がいい」と語っていました。
陽水やリリーさんの故郷の筑豊は昔、炭鉱でにぎわっていて映画館が二館あったのを、「六本木ヒルズみたいだった」話す陽水も妙に可笑しさがありました。陽水が小津安二郎の映画のワンーンについて詳細に語るところも良かったですね。
伊丹十三の『お葬式』に出演したときの陽水の姿も出てきました。郵便配達の役で台詞はなく、この映画を見た陽水の母親は陽水の姿に気がつかなかったそうです。確かに陽水の出演しているシーンは注意していないと見逃してしまいます。
陽水と交流のあるミュージシャンのインタビューには一青窈、平原綾香、持田香織といった『YOSUI TORIBUTE』に参加したミュージシャンとスガシカオ、コブクロが登場していました。スガシカオは『少年時代』を歌っている映像が流れていました。『氷の世界』を「真っ黒いビート」と言っていました。
陽水がアマチュア経験ゼロで、デモテープを送っていきなりレコードデビューしたと語っていました。最後の方で野球だったら自分は監督とか解説をやっている歳なので、歌番組の解説なんかをやって、あの解説がいいと言われたいとい語っていたのも可笑しかったですね。