ぶら~りネット探訪

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『ドライブ・マイ・カー』を見た

濱口竜介監督、西島秀俊主演の『ドライブ・マイ・カー』を見ました。 夏に予告を見た時は地味な感じがして、興味ほとんど沸かなかったのですが、日本映画でアカデミー賞に4部門もノミネートされる映画とはどんなものなのかという単純な興味で劇場に足を運びました。 上映時間が179分もあるのが不安でしたが、実際に見てみると、話に引き込まれて長さはほとんど気になりませんでした。 序盤の音(霧島れいか)が話す前世がヤツメウナギの女子高生が初恋の相手の家に侵入を繰り返す話で一気に引き込まれてしまった感じでした。『螢・納屋を焼く・その他の短編』という村上春樹の初期の短編集を思い出しました。この短編集には『ヤツメウナギと眠る女』ではなく『めくらやなぎと眠る女』という短編が収録されていました。 ヤツメウナギが鮭に寄生する動画を家福悠介(西島秀俊)が眺めるシーンがありました。今村昌平パルム・ドールを2回目に取った『うなぎ』も妻の浮気の現場を目撃するところから話が始まる映画だったことを思い出しました。 話の展開は緩急が効いていて、まったりと時間が流れ所と急展開するところがうまく配置されていて、この構成のおかけで長くても飽きて眠くならないように感じられまし。 家福と渡利みさき(三浦透子)が赤いサーブに乗っているシーンはまったりと、家福と高槻耕史(岡田将生)が対峙するシーンは緊張感がありザワザワと不穏な空気が漂っていました。劇中劇のオーディションから本読み、リハーサルのシーンは少し退屈でしたが、トラブルを乗り越えた家福自身の気持ちと『ワーニャ伯父さん』のワーニャの気持ちがシンクロさせるところに痺れました。 岡田将生以外の日本人の役者の棒読みのようなセリフ回しが印象的でした。岡田将生はドラマ版の『昭和元禄落語心中』と朝ドラの『夏空』でしかみたことがありません。車の中でヤツメウナギの話の続きを語るところは落語を聞いているような気分になりました。 渡利が家福を案内する清掃工場が印象的でした。ガラス張りでゴミが焼却されていくところを見学できるようになっていました。あの広島の清掃工場は普通に見学可能なのでしょうか?とても気になりました。 三浦透子は朝ドラの『カムカムエヴリバディ』に出演中で、『悪の教典』、『鈴木先生』、『素敵なダイナマイトスキャンダル』でも見ているはずなのに全く記憶がありませんでした。三浦透子が演じる渡利みさきは過酷な幼少期を過ごしてきた寡黙なドライバー。感情の変化が表情やしぐさではほぼ分からないのですが、物語の終盤で見せる微かな変化が非常に印象的でした。 Drive My Car (A Vintage Short) (English Edition) - Murakami, Haruki
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