『MIRROR BALL'19』を聞いた

2019年にリリースされた山崎育三郎の『MIRROR BALL'19』を聞いてみました。 ドラマ版の『昭和元禄落語心中』と朝ドラの『エール！』くらいでしか山崎育三郎は見たことはないのですが、2つのドラマとも非常に印象に残っています。 今年の第103回全国高等学校野球選手権大会の開会式での『栄冠は君に輝く』の独唱も見事でした。『エール！』での『栄冠は君に輝く』の歌唱シーンが現実になったような驚きがありました。 さて、『MIRROR BALL'19』は前山田健一のプロデュースによるカバー・アルバムで『お祭りマンボ』から『Relight My Fire』まで、なんだかよく分からないとっ散らかったような選曲になっています。 このアルバムで一番驚いたのは『高校三年生』です。弓木大和がラップで参加していて、アレンジはヒップホップ風。そんなビートに昭和の校内放送のようなエフェクトをかけた山崎育三郎の声と令和の弓木大和のラップが乗っている違和感がとても心地良い一曲となっています。弓木大和のラップで描かれているリアルなボンクラ・ヤングの姿と山崎育三郎が歌うノスタルジックな高校生の姿が全く水と油で混じり合わないところも素敵です。 高速スラップベースで始まる『HOT STUFF』も良かったです。全体的にスラップベースを中心にした疾走感溢れるアレンジと日本語訳の歌詞が上手く嵌っているところが素敵です。歌詞は及川眠子が書いています。オレジナルとは全く違うアプローチが成功しています。このベースは誰が弾いているでしょうか？機械？ 『モンキー・マジック』は逆にオリジナル通り英語の歌詞で歌っています。シンセやギターのリフがZAPPみたいなファンキーなアレンジで、後半には一瞬、ダンス☆マンの声が聞こえてきます。ちなみにダンス☆マンは『Relight My Fire』を『ヘンなあだ名はイヤ』としてカバーしていました。 『かけめぐる青春』は城田優とのデュエットになっています。ほぼオリジナルと同じアレンジになっています。合いの手みたいなギターリフも再現されています。オリジナルと違うのは間奏にセリフが入るのと山崎育三郎と城田優の熱い歌声です。オリジナルのビューティ・ペアはかなり淡々と歌っているのと対照的です。 私は通常版を図書館で借りて聞いてみたのですが、通常版のジャケットは真ん中に山崎育三郎の顔、その下にコスプレをした山崎育三郎がミラーボールに乗っている山崎育三郎が並んでいるデザインになっていました。ミラーボールにはなぜか顔があります。なんとなくみすず学苑の広告のデザインに近いものを感じました。
MIRROR BALL’19(通常盤) - 山崎育三郎, ジル・ティボー, 売野雅勇, YASUSHI WATANABE