ぶら~りネット探訪

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『ジュディ 虹の彼方に』を見た

ルパート・グールド監督、レネー・ゼルウィガー主演のジュディ・ガーランドの伝記映画『ジュディ 虹の彼方に』を見ました。

公開は2020年3月6日の公開。若尾文子映画祭の方を優先的に見ていたら、コロナの影響で映画館自体が閉まってしまって、映画館の営業が再開したら公開規模が大幅に縮小されてたため、平塚のシネプレックス平塚という所に行って見ました。

子供二人連れてドサ回りのステージを終えて疲れ切ったジュディ・ガーランドがホテルから追い出されるところから物語は始まります。1968年にロンドンで行われた長期間のライブ・ステージを中心に子役時代のエピソードを途中に挟みながら映画は展開していきます。

ジャージー・ボーイズ』、『ボヘミアン・ラプソディ』、『ロケットマン』、『ストレイト・アウタ・コンプトン』などバンド、ミュージシャンの伝記映画を見てきましたが、『ジュディ 虹の彼方に』はジュディ・ガーランドのキャリアの晩年にスポットを当てたところが最近のこの手の伝記映画とは一味違いしまた。

ホテルを追い出されれるくらい金銭的に困窮していたジュディは二人の子供を前の夫に取り上げられて、子供を取り返すため渋々、ロンドの長期のライブのオファーに応じることになります。ジュディは元々ライブには乗り気ではなく、バンドとのリハーサルも拒否、若い女性マネージャーもジュディに振り回され、初日のライブを迎えますが、ステージに立ったジュディは一瞬で輝きを取り戻します。レネー・ゼルウィガーのパフォーマンスが素晴らしくて、帰り道にサントラを買ってしまいました。

恥ずかしながらレネー・ゼルウィガーという女優は初めて見たのですが、普通の芝居も歌やダンスも素晴らしくて驚きました。サントラも良かったです。

子役時代のジュディのエヒソードは辛いものばかりでした。もう少し遊びたいと駄々をこねるジュディに対して、MGMのルイス・B・メイヤーは「ここにいるのお前の声は特別だからだ。退屈なスーパーのレジ打ちや小学校の先生がやりたければスタジオから出ていけ。」という様なことを言い放ちます。これは平凡な日常や幸せを捨てる代りにスポットライトを浴びてスターになるため悪魔に魂売ったと言うか、悪魔と取引した様に見えました。

ルイス・B・メイヤーは本当にとんでもない人間でジュディに過酷な食事制限だけでなく、行動も制限し、覚醒剤を与えてコントロールしていました。最近ではがレイプと性的暴行でハーヴェイ・ワインスタイン禁錮刑になりましたが、ルイス・B・メイヤーは特に罪に問われることはなかったそうです。

ロンドンでのライブも観客の野次に切れて、ステージを放棄したため途中で契約を解除されてしまいます。マネージャーとバンドマスターがささやかなお別れ会をしてくれて、ケーキをが出てくるのですが、若いときの食事制限の影響なのか本当に少しずつしか食べられないのが非常に悲しかったです。

ステージの上では魅力を遺憾なく発揮して光り輝いているジュディですが、ステージを降りるとトラブルばかりで特に男関係には恵まれず、ロンドンで結婚した5番目の夫ミッキー・ディーンズもジュディを金儲けの道具にしようとしただけでした。そんな中で唯一の救いがライブの出待ちをしていたゲイのカップルとの出会い。二人はジュディのファンでステージは見続けてきたけど、1964年のステージは収監されていたために見れなかった告白します。1967年までイングランドでは同性愛が違法だったためです。この出会いのエピソードはクライマックの伏線にもなっています。

ステージのシーンは素晴らしく、私生活は悲惨。芸能人の伝記にはありがちかもしれませんが、この映画の場合、ピークのときのエピソードが描かれていないのがやはり独特でした。凄いゴージャスでワールドクラスの「女ののど自慢」という感じもしました。

余談ですが歌声は最高だけどトラブルメーカーでステージでもトラブルを起こしたり、薬物中毒で周りの男はクズばかりというのはエイミー・ワインハウスを思い出してしまいます。

ジュディ 虹の彼方に(字幕版) - ルーファス・シーウェル, ジェシー・バックリー, フィン・ウィットロック, ダーシー・ショー, ダニエル・セルケイラ, リチャード・コーデリー, レネー・ゼルウィガー, マイケル・ガンボン, アンディ・ナイマン, ロイス・ピアソン, ルパート・グールド, トム・エッジ
ジュディ 虹の彼方に(字幕版) - ルーファス・シーウェル, ジェシー・バックリー, フィン・ウィットロック, ダーシー・ショー, ダニエル・セルケイラ, リチャード・コーデリー, レネー・ゼルウィガー, マイケル・ガンボン, アンディ・ナイマン, ロイス・ピアソン, ルパート・グールド, トム・エッジ