ぶら~りネット探訪

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『デトロイト』を見た

キャスリン・ビグロー監督、ジョン・ボイエガ主演の『デトロイト』を見ました。

1967年のデトロイト暴動とその中で起こったアルジェ・モーテル事件について描いた映画です。キャスリン・ビグロー監督の映画は『ハート・ロッカー』、『ゼロ・ダーク・サーティ』と見てきましたが、今回の『デトロイト』も異常な緊張感が画面から溢れてくるような映画でした。143分もあるのにほとんどダレるところがありませんでした。

N.W.A.の伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』や2PACの伝記映画『オール・アイズ・オン・ミー』でも警官による黒人に対する不当な暴力が結構な割合で描かれていましたが『デトロイト』では白人警官による黒人(白人女性も含む)に対する不当な捜査、暴力そして殺人がメインテーマです。黒人ボーカル・グループ「ザ・ドラマティック」のメンバーであるラリー・リードとその友人フレド・テンプルも事件に巻き込まれてしまう。モータウン・レコードの生まれたのもデトロイトでこの映画も音楽が深く関わっています。

ちなみにアルジェ・モーテル事件のきっかけを作ったカール・クーパーを演じていたのは『ストレイト・アウタ・コンプトン』でイージー・Eを演じていたジェイソン・ミッチェルというのも面白いキャスティングでした。

白人警官のフィリップ・クラウスを演じたウィル・ポールターの役者が非常に恐ろしく、特に眉毛の形が恐ろしさを強調していたような気がします。『スリー・ビルボード』のジェイソン・ディクソン巡査と比べると何とも言えない気分になります。『スリー・ビルボード』は基本的にコメディでフィクション、『デトロイト』は事実に基づいた映画なので比べようがないのですが。

アルジェ・モーテル事件を起こした三人の白人警官たちは起訴され裁判所にかけられるのですが無罪になります。1991年のロドニー・キング事件とその後の裁判、ロス暴動を思いだしました。しかし、こういった事象は現在のアメリカでも起こっています。

救いようのない流れでエンディングに向かっていくのでN.W.A.の『ファック・ザ・ポリス』やアイス・Tの『コップ・キラー』を爆音で聞きたい気分になっていきました。ドラマテックスのラリー・リードはステージで歌えなくなってしまい、生活も苦しくなってきたので教会の聖歌隊で歌う道を選びます。エンドロールではアルジェ・モーテル事件に関わった人たちのその後が語られていました。流れる音楽はゴスペル調の曲でした。

Detroit