ぶら~りネット探訪

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『エイミー』を見た

2011年に亡くなったエイミー・ワインハウスドキュメンタリー映画『エイミー』を見ました。監督はアシフ・カパディア。この映画は今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞しています。

冒頭のホームビデオで友達の誕生日に『Happy Birthday to You』を歌うエイミー・ワインハウスの歌声が凄い。歌は既に完成されています。「栴檀は双葉より芳し」と言うことわざを体現したシーンに見えました。

この映画は時系列でエイミー・ワインハウスの足跡を辿っていく構成になっています。エイミー・ワインハウスの母の名前がジャニスというのにも運命を感じしまいます。ジャニスと言えばジャニス・ジョプリン。彼女も27歳で亡くなっています。

デビュー・アルバムの『Frank』でシンセを使ったりハウス・ミックスの曲が収録されたのはミキサーが勝手にやつたことで自分の意志ではないとラジオのインタビューに答えていたのが印象的でした。

エイミー・ワインハウスの書く歌詞は全て実体験に基いているとも話していました。私小説みたいなものなんでしょうね。何度かエイミー・ワインハウスジャズ・シンガーだとこの映画の中でエイミー・ワインハウス自身や他の人が言っていましたが、恋愛や人間関係に傷ついてそれを歌に昇華して歌うエイミー・ワインハウスはブルース・シンガーなんじゃないかと思えました。

この映画では色々なエイミー・ワインハウスの表情を見ることができます。一番印象的なのはグラミー賞の発表前後の表情ですね。プレゼンターのトニー・ベネットナタリー・コールが登場する姿を見ているエイミー・ワインハウスは画面に喰い付きそうな顔していました。このときは薬を断っていたそうだけど目つきが尋常でありませんでした。「グラミー賞を取れて嬉しいけど、薬なしではつまらない」と言っていたエイミー・ワインハウスの幼なじみの証言もたまりませんでした。

去年からミュージシャンの伝記映画やドキュメンタリー映画をよく見ています。最近ではジェームス・ブラウンドキュメンタリー映画を見ましたがJBとエイミー・ワインハウスの音楽に対する姿勢が全く違いに驚きました。生まれた時代や環境が全く違うわけですが、JBが極貧の生まれで歌うことと踊ることは生活の手段であり、社会と繋がる道具というか武器みたいなものだったの対してエイミー・ワインハウスの場合、歌うことは生活の手段とか金を得るためのものでは少なくてもなかった気がします。才能を持て余して、ある意味、才能に殺されたような気がします。生き方というか死に方はやはりカート・コバーンに近い気がします。

この映画が始まる前に『シング・ストリート』の予告が流れていました。宇多丸が絶賛していた80年代を舞台にした青春バンド映画といった感じフィクションです。予告を見るだけで80年代と青春のキラキラ感で眩しくなり、『エイミー』との落差が激しさが面白かったですね。『エイミー』を見終わった後、疲労感と言うかどよ~んした気持ちになりました。

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