ぶら~りネット探訪

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『ストレイト・アウタ・コンプトン』を見た

F・ゲイリー・グレイ監督のN.W.A.の伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』を見ました。

N.W.A.は80年代末から90年代初めにかけて活躍したアメリカ西海岸のヒップホップグループ。「ナショナル・レスリング・アライアンス」ではなく「ニガー・ウイズ・アティチュード」です。

ストーリーはバンド伝記映画の王道的な感じで、メンバー集めと試行錯誤、成功と金銭トラブルによメンバーの対立と離別、そして和解という感じになっています。クリント・イーストウッドが監督したフォーシーズンズの伝記映画『ジャージー・ボーイズ』に近いものがあります。

私はN.W.A.をリアルタイムで聞いていました。どういったグループだったかも知っています。なので、まさかN.W.A.の伝記映画が作られるとは思いませんでした。今年はジミヘン、JB、ブライアン・ウイルソンと音楽関係の伝記映画が公開されましたが、そのトリがN.W.A.とは!

『ファック・ザ・ポリス』巡る警察との対立やマイノリティに対する警察の態度は30年近くたっても状況はあまり変わっていない気がします。

この映画の制作会社はレジェンダリー・ピクチャーズで『ダークナイト』、『マン・オブ・スティール』、『ゴジラ』などで世界をぶっ壊し、今度は言葉でぶっ壊す映画を作りました。

私にとってはP-FUNKの曲が大音量でかかるのがこの映画の一番嬉しいところです。N.W.A.として初めてライブに行う前のシーンで『(Not Just) Knee Deep』かかったときは、デ・ラ・ソウルの『Me, Myself and I』かと思った人もいるかと思いますがあれはファンカデリックの方です。『Flash Light』、『One Nation Under a Groove』もかかっていました。

ドクター・ドレーの部屋のシーンでTR-808パーラメントの『 P-Funk Earth Tour』、『Motor Booty Affair』、『Gloryhallastoopid』、ザップの1枚目のレコード・ジャケットが写りこんでいるのが良かったですね。

N.W.A.のメンバーを演じた役者も良かったのですが、悪徳マネージャー、ジェリー・ヘラーを演じたポール・ジアマッティが良かったですね。銀髪が昔のプロレスの悪徳マネージャーという感がしました。ポール・ジアマッティは『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』でもブライアン・ウイルソンを搾取するユージーン・ランディ博士の役をやっていました。役は似ているけど見た目が全く印象が違います。

『ストレイト・アウタ・コンプトン』のレコード・ジャケットの構図は『キル・ビル』でザ・ブライドがビルと4人の手下質に傷めつけられて、5人を見上げるシーンと非常に似ています。恐らく古い映画のオマージュではないかと思っていたら、漫画家の古泉智浩のツイートで『その後の仁義なき戦い』が同じような構図と指摘していました。タランティーノが『その後の仁義なき戦い』を見ている可能性は高いですね。でもドクター・ドレーシュグ・ナイトと別れて設立したレーベルはアフター・マス(その後)というところは不思議とリンクしています。ちなみに『その後の仁義なき戦い』の監督は深作欣二ではなく工藤栄一だそうです。

Ost: Straight Outta Compton