ぶら~りネット探訪

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『ラブ&ピース』を見た

園子温監督、長谷川博己主演の『ラブ&ピース』を見ました。園子温の映画で『ラブ&ピース』というタイトルが驚きです。園子温の今までの映画は『セックス&バイオレンス』といった感じの映画ばかかりでした。TTOHOシネマズのシネコン園子温の映画を見るというのも不思議な感覚でした。『新宿スワン』もシネコンでかかっているみたいですね。

ロック・ミュージシャンを目指していた鈴木良一(長谷川博己)は夢破れてうだつの上がらないサラリーマンだった。良一は同僚の地味目なOL、寺島裕子(麻生久美子)に密かに恋心を抱いていたが話しかけることもできなかった。ある日、良一はデパートの屋上で一匹のミドリガメと出会う。ミドリガメに「ピカドン」と名付け、ピカドンを唯一の友としてた良一だったが会社でピカドンを持っているところ同僚や上司に嘲笑されてしまい、良一はピカドンをトイレに流してしまう。しかし、良一の運命はこの出来事から大きく変わり始めるというお話。

園子温はこの映画の脚本を20年以上前に書いていたそうで、主人公には忌野清志郎を考えていたそうです。『トイ・ストーリー』、『バットマン・リターンズ』、『ロッキー』そして『ガメラ』の要素をいい意味でぶっ込んだような設定とストーリーになっています。そう言えば『エレファント・マン』のオマージュみたいなシーンもありました。私は『ウルトラQ』の『育てよ! カメ』、『燃えろ栄光』を思い出しました。

西田敏行が演じる地下道に住み、捨てられたオモチャやペットの世話をしている謎の老人は凄く良い人になったイモータン・ジョーのように見えました。

動いている小倉一郎を久しぶりに見た気がします。それにしてもマキタスポーツは役者として売れていますね。ピカチュウ(大江育江)とニャース(犬山イヌコ)の声も聞けます。中川翔子ラプンツェルの時といい今回といい声優としてはかなりいい仕事をしています。

この映画はやはり長谷川博己の怪演ぶりにつきます。うだつの上がらない鈴木良一からロックスターのワイルド・リョウへの変身ぶりが見事でした。歌もステージ・アクションも本物のロック・ミュージシャンの様でした。長谷川博己は以前、東京ガスのCMでウナギ犬とエレキギターを弾きながら歌っていました。

麻生久美子の冴えないOLぶりも良かったのですが、眼鏡をとるシーンがなかったのが非常に残念でした。『ロッキー』のエイドリアンのような感じになるものと思っていのですが、そういった部分はほんの少しだけでした。マーシャルのヘッドホンをして上着の下にはロック・ミュージシャンTシャツを着ているところが細かくて良かったです。映画版の『モテキ』で麻生久美子B’z好きの痛い女という役でした。

後半でピカドン連れて行かれる研究所は上野の科学博物館でした。科学博物館の中のシーンもしっかりありました。クリスマスの石畳の街のシーンはもしかして川崎のチッタでしょうか?良一が昼飯を食べていたデパートの屋上から「SOGO(そごう)」の看板が見えるのも非常に気になりました。

ラストでRCサクセションの『スローバラード』がかかるのは反則ですね。同じ『シングル・マン』に収録されている『ヒッピーに捧ぐ』も思い出して欲しいですね。

園子温の映画は久しぶりでしたが、今回はいい意味で裏切られました。物語の面でも特撮の部分でもグッと来るものがありました。

映画 ラブ&ピース オリジナルサウンドトラック