デヴィッド・フィンチャー監督、ベン・アフレック主演の『ゴーン・ガール』を見ました。
ニック(ベン・アフレック)とエイミーはごく普通の夫婦だったが、5年目の結婚記念日にエイミー(ロザムンド・パイク)は突然失踪してしまう。最初はニックに同情的だったマスコミだったが、ニックのだらしない私生活(浮気、無職で多額の借金がある)が暴かれていき、さらには妻エイミーへのDV疑惑、そし妻を殺害したのではないかという疑惑をかけらてしまい、ニックは追い詰められていくというお話。
ミステリー仕立てなので「あらすじ」はこれ以上書けません。ミステリー仕立てなんですが、テーマとしてはデカプリオの『レボリューショナリー・ロード』やライアン・ゴズリングの『ブルーバレンタイン』に近いものがあります。『レボリューショナリー・ロード』や『ブルーバレンタイン』との大きな違いは『ゴーン・ガール』にはけっこう笑えるシーンがある所です。エイミーのキャラクターが強烈です。被害者なのか加害者なのかよくわかりません。
テレビのインタビューに答えるにあたってニックと担当の弁護士と双子の妹マーゴの三人でインタビューのリハーサルシーンが特に笑えました。『冷たい熱帯魚』で吹越満とでんでんと黒沢あすかが被害者の遺族が乗り込んでくる前にリハーサルをしていたのを思い出しました。
弁護士役のタイラー・ペリーという役者も初めて見ました。一筋縄ではいかない曲者的な弁護士役が良かったです。見た目はちょっと老けたカニエ・ウェストみたいな感じす。
テレビの女性キャスター、コメンテーターはかなりステレオタイプな感じで描かれていましたが、あれはあれで笑えました。
かなり強烈なキャラクターが揃っている中、ベン・アフレック演じるニックのダメ男ぶりはなんとも言えない味わいがありました。ニック以外のキャラはほとんどアッパー系な感じなのにニックは浮気以外はボンヤリとしている感じでした。そう言えばニックは茶トラの猫を飼っていて、時々思い出したように画面に映っていましたが、あの猫の存在の意味は何だったんでしょうか?
デヴィッド・フィンチャーの映画ということで、もしかしらと思っていたら、音楽はやはりトレント・レズナーとアッティカス・ロスでした。『ソーシャルネットワーク』、『ドラゴン・タトゥーの女』に続いてのサントラです。相変わらず自己主張の強いサントラでかなり耳障りでした。『ドラゴン・タトゥーの女』のサントラはCDを買って聞いてみたら、映像がないとかなり大人しい感じで印象が全く違いました。