ぶら~りネット探訪

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『エリジウム』を見た

ニール・ブロムカンプ監督、マット・デイモン主演の『エリジウム』を見ました。

2154年、人類が、増え過ぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。地球の周りの巨大な人工都市エリジウムは人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を生み、育て、そして、死んでいった、それは一部の富裕層のみ。貧乏な一般庶民は人口爆発と環境汚染で荒廃した地球に住み続け、搾取され続けていた。元チンピラのマックス(マット・デイモン)は工場での作業中に被曝し余命5日と診断される。エリジウムにはどんな病気でもケガでも一瞬にして治してくれる医療ポッドがある。マックスはエリジウムへの密航を企てる、というお話。

TBSラジオ『たまむすび』で町山智浩の紹介を聞いた時、『ブレードランナー』みたいな話だと思っていました。実際に見てみたら『ブレードランナー』にも似ているし、『機動戦士ガンダム』にも『銀河鉄道999』、『攻殻機動隊』にも似ている感じがしました。ニール・ブロムカンプの前作『第9地区』にも日本のアニメのオマージュに見える部分もあったので、それほど驚くはありませんでした。いやイリジウムの居住地区を上から舐めるように写すシーンはガンダムのオープニングでスペースコロニーの内壁を写すシーンそのままで驚きました。スペースコロニーのデザインにはシド・ミードも関わっているそうです。シド・ミードは『ブレードランナー』や∀ガンダムのデザインをやっています。

AK-47をベースにしたライフルは非常に良かったです。クルーガーが使っていた無人偵察機がお掃除ロボットのルンバみたいだったのは笑いました。「空飛ぶ円盤」ではなく「空飛ぶルンバ」でした。マックスやクルーガーが付けている強化外骨格は『巨人の星』の大リーグボール養成ギブスみたいでした。

クルーガー役の人は『第9地区』で主役を演じたシャールト・コプリーでした。日本刀や手裏剣や撒き菱みたいな爆弾を使う宇宙忍者みたいな役でした。どうでもいい事にですが宇宙忍者といえばバルタン星人ですね。

地球のディストピア的な世界観や全体的な話の流れはよくある話とも言えますが、ビジュアルイメージが凄いので見ている時はあまりその辺は気になりません。見終わって考えなおすとけっこう細かいツッコミどころはたくさんあります。

エリジウム防衛庁長官役をジョディ・フォスターが演じています。ラスボス的な感じですがけっこうあっけなく退場していきます。この映画のジョディ・フォスターを見ていたらドイツのメルケル首相を思い出しました。メルケル首相の伝記映画を作るとしたらジョディ・フォスターが5キロくらい太って老けメイクをすればいけると思います。メルケルマーガレット・サッチャーみたいに歴史に残る政治家になって映画が作られればの話ですが。

マックスがエリジウムに乗り込んで工場みたいなところでクルーガーと対決するシーンでなぜか桜の木が1本あったのがとても不思議でした。

一見、大味なSFアクション映画ですが現代の格差社会を風刺しているようです。洒落が通じないだけじゃなく貧乏人には容赦なく暴力を振るうドロイド警官は人種やによって対応が変わるアメリカの警官ですね。国民皆保険制度に反対しているアメリカの共和党(ティーパーティー運動の人たちなども)もエリジウムに住んでいる人間そのものという感じです。

エリジウム