ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

『ネットのバカ』を読んだ

中川淳一郎の『ネットのバカ』を読んでみました。2009年の『ウェブはバカと暇人のもの』から続く中川淳一郎のネット時評本の最新作になります。

前半は最近のネットの事件を取り上げ解説してくれています。乙武くんのイタリア料理屋を巡る事件までかかれています。ちょっと残念なのは復興庁や経産省の官僚がブログやツィツターで暴言を書き込んだ事件に間に合わなかったことですね。

中盤はネットで成功しているのは企業、有名人、芸能人の事例を解説し、一般人がネットで成功、儲けることがほぼ不可能と書いています。しかし、一般人がネット成功する手段は一つだけあると書かれています。1ジャンルに1人の法則でニッチなネタを探してそのネタについては誰にも負けない地位に着くことだそうです。

後半はネットの困った人たち、愛国者(ネトウヨ)、エヴアンジェリスト(ネット原理主義者)について丁寧に解説しています。2ちゃんを見ている特に愛国者でなくても、とにかく何かあれば在日のせい、韓国のせいという書き込みが蔓延しています。今年の流行語大賞

ヘイトスピーチ」という言葉がエントリーされたら面白いと思うのですが、そんなことは無いと思います。

内容的には『ウェブはバカと暇人のもの』から大きく変わっているところはなく、その時その時の事件、現象を取り込んで解説してきれている感じです。ネットは当たり前になった分、一般人が成功したり儲けたりすることがさらに難しくなり、リアルな世界で儲けたりするほうが簡単だと断言しています。それでもネットで成功することを夢見る人は後を絶たないわけです。

ツィツターが出初めの頃、水道橋博士が有名人も一般人も関係ないメディアと言っていたのを今でも覚えています。一般人がツィツターで注目を集めているのはコンビニの冷蔵庫に入った画像や店員を土下座させた画像ですよね。

「いいね」や「リツイート」も儲けている人をより儲けさせるだけで、クリックの奴隷でしかないとこの本には書かれています。ソーシャルゲームを無料でプレーしいる人も楽しんでいるように見えて、課金してくれる人のサクラやゲームの背景としての役割があり、ゲームを提供している会社からみれば無料でプレーしている人も多い方がいいそうです。

中川淳一郎TBSラジオ荻上チキ・Session-22』のネット炎上に関しての特集でゲスト出演した際に、泥酔して出演し暴言を吐き、途中でスタジオからつまみ出されていました。私はポッドキャストでしか聞いていないのですが、凄く面白かったです。もうラジオには出ないと言っていた気がしますが、またラジオに出て欲しいですね。MXテレビの『5時に夢中!』や『ニッポン☆ダンディ』なんかも向いていると思います。

ネットのバカ (新潮新書)