ぶら~りネット探訪

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『桐島、部活やめるってよ』を見た

吉田大八監督の『桐島、部活やめるってよ』を見ました。ポスターなどでは神木隆之介くんが1人で写っているので神木隆之介くんが主演かというと、そうではなく青春群像劇的な映画になっています。

9月1日に1000円で実写版『ひみつのアッコちゃん』でも見ようかと思ったのですが混んでいて、高倉健の『あなたへ』なら空いているかと思ったら、意外に混んでいたので『桐島、部活やめるってよ』にしてみました。でも『桐島、部活やめるってよ』も7割くらい入っていました。週刊文春のコラムで小林信彦もこの映画を褒めていました。

高校を舞台にバレーボール部のキャプテンだった桐島が部活をやめることをきっかけに、様々な問題が学園中に巻き起こり、ついに日本映画史に残る、圧巻のグランドフィナーレを迎えるというお話。

シネマハスラーのサイコロは当たりませんでしたが宇多丸はこの映画をオススメしていました。アメリカの学園もの映画が好きな宇多丸ならこの映画をオススメしていたのは納得できます。学園内のカーストというかヒエラルキーがあーして、こーして、どうにかするという話です。私はあまり趣味ではありません。

同じシーンを複数のキャラクターの視点から何度も繰り返すのはシドニー・ルメットの遺作となった『その土曜日、7時58分』を思い出しました。小林信彦はこの手法はスタンリー・キューブリックの『現金に体を張れ』でやっていたと書いていました。

神木隆之介くんと前野朋哉の映画部のボンクラコンビが良かったですね。ちょっと『宇宙人ポール』のサイモン・ペッグニック・フロストみたいな感じもありました。神木隆之介くんが読んでいのは『映画秘宝』でした。

前野朋哉が映画の中で「満島ひかりに夢の中で逢った」といっていましたが、前野朋哉満島ひかりの旦那の石井裕也の映画に何本か出ているようです。しかし、満島ひかり主演の『川の底からこんにちは』には出ていません。前野朋哉は自分でも映画を撮るそうで、映画祭のトークショージョニー・トーから「彼は将来有望な監督だ。」と言われたとウィキペディアに書いてありました。

それにしても映画の中で撮影される映画は『スーパー8』、『キツツキと雨』、そしてこの『桐島、部活やめるってよ』にしてもなぜかゾンビ映画ばかり。分り易く映画を撮っているというシーンに見えて、笑えて、演出によってはそれなりに怖くみせることもできるからゾンビ映画なんだと思います。怪獣映画だと着ぐるみやミニチュアがいるし、時代劇だと着物やカツラやセットが必要ですからね。

映画の中で神木隆之介くんと橋本愛が見ている映画は『鉄男』だった。塚本晋也の名前はエンドロールにありましたが、田口トモロヲの名前はありませんでした。

あんまり関係ないけどさ、『プロメテウス』ではアンドロイド役のマイケル・ファスベンダーが宇宙船の中で1人で『アラビアのロレンス』を見ていました。

大後寿々花の姿を映画で見たのは『SAYURI』以来でした。テレビドラマにもたまに出ていたり、こども店長のお姉さん役でCMにも出ていました。美人なタイプとか橋本愛に比べると特別可愛い感じでもないし、かと言って満島ひかり的なサブカル的なティストがあるわけでもないのですが非常に印象に残るタイプの女優です。

神木隆之介くん、大後寿々花橋本愛以外のキャストは初めて見る俳優ばかりで、そこはかなり新鮮でした。野球部のキャプテンの朴とつした感じもたまらないものがありました。3年生で夏の大会が終わってもドラフトが終わるまでは野球部に出続けるのは笑えました。

野球部のキャプテンだけでなく、けっこう笑えるシーンがあるのもこの映画の見所で、劇場内はけっこう笑い声が上がっていました。しかし、圧巻のグランドフィナーレではなかった気がします。桐島が姿を現さないのはなんとなく分かっていましたが、アンチクライマックス的で宙吊り感はやはりあります。でも、そこんがいいんじゃないって感じの映画とも思えます。

桐島、部活やめるってよ   映画パンフレット 監督 吉田大八 キャスト 神木隆之介、橋本愛、大後寿々花