ぶら~りネット探訪

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面影ラッキーホールの『Whydunit?』を聞いた

町山智浩TBSラジオ『たまむすび』で面影ラッキーホールの新譜『on the border』を紹介していましたが、私はまだ『on the border』聞いていません。 面影ラッキーホールは『たまむすび』の前の番組『小島慶子 キラ☆キラ』で町山智浩が紹介しているのを聞いて知りました。 町山智浩面影ラッキーホールの歌詞をクローズアップして紹介していますが、音楽的にもかなり面白いグループなんですよ。 クレージーケンバンド的なファンキーさと昭和歌謡テイストをさらに下品にしたサウンド面影ラッキーホールサウンドの大きな特徴です。クレージーケンバンドはビューティフル・ヨコハマをホームタウンにしているバンドなので多少のエロさや下品さはあっても基本的にはお洒落なバンドですが、面影ラッキーホールにはお洒落さはほとんどありません。 『Whydunit?』は全体的にはホーンが入った歌謡ファンク的なトーンの曲で構成されています。『あの男(ひと)は量が多かった』と『中に出していいよ、中に出してもいいよ』は渋谷系と呼ばれていた時期のオリジナル・ラブを彷彿とさせます。『中に出していいよ、中に出してもいいよ』はオリジナル・ラブの『接吻 –kiss–』を基本にサビのメロディはオフコースの『YES-NO』という超変則マッシュ・アップな構成になっています。ワールド・ハピネスでオリジナル・ラブが『接吻 –kiss–』を演奏していましたが、私はどうしても面影ラッキーホールを思い出してしまいました。 『あの男(ひと)は量が多かった』では並木路子『リンゴの唄』の歌詞のパロディが出てきます。唇を寄せるのはリンゴではなくアソコです。 『私が車椅子になっても』は森高千里の『私がオバさんになっても』のパロディです。しかし、病める時も一緒と神に誓ったのに、車椅子になってセックスができなくなったら慰謝料なしの離婚をしようとする男の気持ちが歌われていてかなり重い歌詞になっています。しかし、曲は凄く爽やかで『私がオバさんになっても』に負けないくらいキャッチーでポップです。 『コレがコレなもんで』は『蒲田行進曲』の平田満のセリフをさらに拡大解釈した歌詞で凄くまともで道徳的にも思えます。イントロのホーンのフレーズは杏里の『CAT'S EYE』のサビのメロディで歌に入る直前が中森明菜の『1/2の神話』のイントロに聞こえます。サビはそのまま山口百恵の『横須賀ストーリー』のサビになっています。 日本にもヒップ・ホップやラップはそれなり定着していますが、サンプリングのネタにするのはアメリカのR&Bで日本の古い歌謡曲などからサンプリングすることはほとんどないですね。インディーズ時代のスチャダラパーはクレージーキャツや『太陽にほえろ!』のテーマ曲を使っていたり、近田春夫が『真夏の出来事』のリフを使っていたことぐらいしか浮かびません。日本のヒップ・ホップの人たちは親や恋人には感謝したりリスペクトするくせに昔の歌謡曲やニューミュージックに対してはそんな気持ちは微塵もないような気がします。 その点、面影ラッキーホールサウンドの面でも歌詞の面でも過去の日本のポピュラー音楽に対する愛を感じることができます。さらにンプリングという手法ではなく、パスティーシュ的な手法で過去の楽曲を素材として再構成し、オリジナルな要素も加えて新しいモノを作りだしているところが面白いですね。洋楽を素材にする人は大瀧詠一を始め、いっぱいますが邦楽を素材にするのは珍しいと思います。 Whydunit?
Whydunit?