ぶら~りネット探訪

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『愛と誠』を見た

三池崇史監督、妻夫木聡主演の『愛と誠』見ました。

前評判が良かったので前売り券を買っていたのですが、公開直後の興行成績と評判があまりにも悪かったので今頃になって見ました。

正直、見て良かったと思いました。三池崇史監督では『一命』や『逆転裁判』が残念な感じだったので久しぶりに純粋に楽しめました。ちなみに私は原作の漫画は全く読んだことがありません。

冒頭で愛と誠の出会いのシーンがアニメで描かれているのは『キル・ビルVol.1』のオマージュなんでしょうか?その後の「新宿の目」の前での誠(妻夫木聡)の乱闘で『激しい恋』で歌い踊るシーンでは、「これは、いくらなんでも見ているこっちが恥ずかしすぎる!この映画もダメかも」と思いました。しかし、シーンが進んでいくうちに映画全体の世界観が「全くの作り物」(1972年の日本というナレーションはありましたが)というかリアリティのかけらもないデタラメというのが分かったのでその後は映画の中の世界に没頭できました。(この辺も『キル・ビル』と似ています)

「バイオレンス・ミュージカル」という感じの構成で主要なキャラクターは必ず1曲歌って踊ります。『激しい恋』、『空に太陽がある限り』、『あの素晴らしい愛をもう一度』、『夢は夜ひらく』、『オオカミ少年ケンのテーマ』、『酒と泪と男と女』、『また逢う日まで』といった昭和歌謡が歌われています。

余貴美子の『酒と泪と男と女』と安藤サクラの『また逢う日まで』は素晴らしい出来でした。『オオカミ少年ケンのテーマ』は伊原剛志が歌っていました。『オオカミ少年ケンのテーマ』はロッテのFit'sで佐々木希が踊っている曲の元ネタです。

岩清水を演じた斉藤工とガムコを演じた安藤サクラの怪演ぶりも見事でした。「メガネ、メガネ」とバカにされて「メガネは顔の一部なんだ!」というところは「東京メガネかよ!」と思いました。岩清水は「きみのためなら死ねる」と言っていましたが、斉藤工は「映画のためならなんだってやる」という感じですね。『ロボゲイシャ』のときよりもさらに凄いことになっていました。

意外と良かったのが、またまた妻夫木聡の幼少期を演じていたこども店長こと加藤清史郎です。バイオレンスシーンも非常に決まっていました。残念ながらこの映画はテレ朝が出資しているため、こども店長がナビゲーターをやっている『金曜ロードSHOW!』では放送されることはないでしょう。

「悲しい女」高原由紀を演じていた大野いとも良かったですね。大野いとという女優は初めて見たのですが、感情が一切こもっていないセリフや演技が印象的でした。おつやさんを演じていたときの戸川純をちょっと思い出しました。

いい所ばかり書いてきましたが、全体のバランスはかなり歪で、後半のバイオレンスシーンが連続するところは、「またか」という感じでかなり退屈でした。早乙女の両親(市村正親一青窈)が歌い踊るシーンも要らないような気がしました。しかし、張り付いたような笑顔で歌い踊る市村正親は凄いと思えました。音楽を小林武史が担当していたから、もれなく一青窈もついてきたのでしょうか?

武井咲の過剰な天然キャラも悪くはなかったのですが、この映画いまひとつエロが足りなかったという気がします。『愛のむきだし』みたいなアクションとエロが欲しかった。

映画 愛と誠 オリジナル・サウンドトラック
映画 愛と誠 オリジナル・サウンドトラック