ぶら~りネット探訪

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『ドライヴ』を見た

ニコラス・ウィンディング・レフン監督、ライアン・ゴズリング主演の『ドライヴ』という映画を見ました。

最近は児童文学が原作の分り易い映画ばかり見ていたので、久しぶりに映画館でしか見られない映画を見たという気分になりました。

この映画の存在を知ったのは3月で終わってしまった『小島慶子 キラ☆キラ』で町山智浩が紹介していのがきっかけです。設定やストーリー自体は西部劇の『シェーン』(伊丹十三の『タンポポ』の名前も出していました。) を下敷きにしているオーソドックスなものだけで、とにかく変な映画と言っていたのが印象的でした。北野武の映画にも似ているとも言っていました。

確かに北野映画に似ている部分はけっこうありました。説明的なセリフは極力少なくしている所や主人公のライアン・ゴズリングがとにかく寡黙で、ほんとにセリフが少ない。でも北野映画と大きく違うのは、北野映画の場合主人公が何を考えているがよく分からない事が多いのに対して、『ドライヴ』のライアン・ゴズリングは表情やしぐさから何となく考えていることが読み取れるようになっているところです。ライアン・ゴズリングが楊枝を口にしているのは『木枯し紋次郎』のオマージュなんでしょうか?

ライアン・ゴズリングキャリー・マリガンの家族と過しているときの穏やかな表情とマフィアに立ち向かって行く時の狂ったように暴力を振るう時の落差も見所の1つです。

落差といえば『ブルーバレンタイン』でライアン・ゴズリングはミッシェル・ウイリアムズに愛想を尽かされるダメ親父を演じていましたが、『ブルーバレンタイン』と『ドライヴ』のライアン・ゴズリングの落差も激しいですね。

静かなシーンから突然、展開される強烈な暴力シーンも北野映画と似ています。派手ではないのに執拗に繰り返される暴力で画面から痛さが伝わってくる所も似ていますね。

この映画で一番印象的なのは、ライアン・ゴズリングキャリー・マリガンのキスの後に展開される凄惨なシーンでした。マフィアが放った刺客をライアン・ゴズリングが返り討ちにするのですが、ライアン・ゴズリングは刺客の頭を執拗に踏みつけて頭蓋骨を砕きます。この映画がR-15なのは暴力表現がかなり激しいためです。後半は特にグロいシーンが多めです。

北野映画と決定的に違うのは女やラブロマンスもしっかり描かれているところですね。ライアン・ゴズリングが思いを寄せる隣に住んでいる若奥様のキャリー・マリガンはただ可愛いだけでなく、ライアン・ゴズリング同様、セリフは少ないのですがしぐさや表示だけで伝わってくるものがありました。

この映画は音楽も良かったです。エレクトロニカ的なサントラでなんとなく『コンテイジョン』のサントラに似ていると思っていたら、『コンテイジョン』のサントラを担当していたクリフ・マルティネスという人でした。

Drive