マツコ・デラックスがレディースコミックで連載していた人生相談をまとめた『あまから人生相談』を読んでみました。
私は人生相談が好きです。読売新聞の人生相談コーナー「人生案内」を新聞休刊日以外はほぼ毎日欠かさずネットで読んでいます。
マツコ・デラックスの本も過去に何冊か読んでいて、マツコ・デラックスの書くものも好きです。
マツコ・デラックスが回答する人生相談、しかも相談者はレディコミの読者の女性だけ。これは面白くないわけがない!と思って読んでみました。
しかし、あまり面白くありません。相談の内容が平凡でありきたりな内容なのです。嫁姑、ママ友問題、セックスレスや夫との不仲、彼氏ができない結婚出来ないといった相談ばかりでした。読売新聞なら「人生案内」よりも「発言小町」に近い感じです。
パチンコがやめられず、旦那に黙って借金までしならパチンコをする主婦やシングルマザーで再婚を考えている男がいるけど子供嫌いでどうしたらいいか、といった面影ラッキーホールの歌詞の様な相談を期待していのですが、そういったものはほとんどありませんでした。
とは言っても50もの相談があるので中には面白いものもはあります。小学4年の息子にねだられるままに1日、千円の小遣いを渡してしまっているシングルマザーの相談はグッとくるものがありました。息子はゲームを買いまくったり、友達に駄菓子を買ってあげたりしているそうです。月に3万円の小遣いをもらう小4、正直、羨ましい。ゲームがパチンコに、駄菓子が酒や煙草になるのも時間の問題のような気がします。
高2の娘が全然勉強しないとなげく40歳の看護師のお母さんの相談もいいですね。子供の勉強の事をレディコミの人生相談に相談することを考えると笑えました。40歳で高2の娘がいるお母さんがレディコミを読んでいるという所に何とも言えない滑稽さと切なさを感じます。
まぁ、冷静に考えるとスーツを着ていい歳したサラリーマンも電車の中で少年ジャンプや東スポや日刊ゲンダイ読んでいるので40歳のお母さんがレディコミを読んでいたも不思議でないのですが。
しかし、マツコ・デラックスの対応はいつも全力投球の直球勝負と言った感じで、常に真摯に回答するところは、ある意味感動的でした。
マツコ・デラックスの体型からすると、まずは相談者の相談を真正面から受け止めたうえで、正攻法の回答を導き出し、最後にあたたかい励ましの言葉を添えるところは人生相談の横綱相撲とも言えるかもしれません。
マツコ・デラックスの回答は非常に真っ当で、考え方はある意味保守的で常識的です。とらえ方にえっては「おもいっきり生電」のみのもんたのスタイルに近いようにも見えます。夫の浮気に悩む相談者に対して、男は浮気をする生き物と諭すところは昭和の人生相談のスタイルにも感じます。
そう言えば『文藝春秋』の嗚呼「同級生」 でマツコ・デラックスと木村拓哉が同じ高校に通っていたことがあることが書かれていました。岡村靖幸は尾崎豊、吉川晃司と遊んでいた頃の思い出を語っていて、そのまんま『カルアミルク』の歌詞みたいで、泣けてきました。