ぶら~りネット探訪

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『俺はまだ本気出してないだけ 3』を読んだ

2巻は全体の話の流れが停滞していたいのに対して、3巻は話の流れが急に早くなっていました。 1つ目のエピソードはシズオが父の志郎に「オマエはピンチだ。」と説教されるところから始まります。その後はシズオの夢と妄想のシーンが続きます。ひさしぶりにカミが登場し、さらに32歳、22歳、17歳、15歳、11歳のシズオも登場し、殴り合ったり、罵り合ったりします。結局は漫画家としてデビューしたいという42歳のシズオを他のシズオは「頑張れ」と拍手をしながら励ましてくれます。 この夢のシーンが3巻目の最大見せ場に感じました。過去のシズオ自身が罵りあったり、殴り合ったり、未来の自分の姿に失望したりする姿はベタな感じもしますが、これだけ人数が揃うとそれだけで面白く感じました。最後に拍手で終わる所はTV版のエヴァンゲリオンの最終回を思いだしました。 シズオが漫画に本気で打ち込むきっかけが志郎の説教ではなく、バイト先のハンバーガー屋の店長に叱られというのも笑えました。 街の占い師につけてもらった「中村パーソン」というペンネームで漫画を描くようになったことからシズオの運命が変わっていく展開はかなり強引ですが、妙に納得させられました。急に画力が上がったり、凄いアイディアやストーリーが湧いてくるのではなく、運に頼ってペンネームを変えたことで運命が開けるというのは、ある意味リアルで、それでいてバカバカしくシズオらしいくいいですね。 ちなみに井上陽水は最初はアンドレ・カンドレとい芸名でデビューしましたが、まったく売れず井上陽水で再デビューして現在に至ります。 「中村パーソン」というペンネームで描いた漫画が『人間改革』と『人生、300年。』という自己啓発本みたいなタイトルになっているのが少し気になります。 特別編の『集者担当編・村上氏』も良かったですね。シズオの漫画に惹かれ、シズオが月刊EKEK新人賞の努力賞を獲るきっかけを作った編集者、村上政樹のお話。実は惹かれたのはシズオの漫画ではなくシズオという人物。漫画家としてデビューする可能性は低いと思いつつも2年も村上はシズオに付きあってしまう。そして村上はシズオに影響され大きな決断を下すことになります。 編集者である村上がシズオをどう思っていたが初めて明らかになっています。シズオの漫画ではなくシズオ自身に興味があり、自分自身に正直に生きるシズオを羨ましく思い、次第に感化されていくと言うのもありがちな展開ですが、村上が編集者を辞めてあとに取った行動がなかなかショッキングで痺れました。 そう言えばシズオの幼馴染も宮田も脱サラし、パン屋になると言い出していました。シズオは人の人生を狂わせる罪な男です。 俺はまだ本気出してないだけ 3 (IKKI COMIX)
俺はまだ本気出してないだけ 3 (IKKI COMIX)