ぶら~りネット探訪

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『ローラーガールズ・ダイアリー』を見た

吉祥寺のバウスシアターで行われている『第4回爆音映画祭』で『ローラーガールズ・ダイアリー』を見ました。

この映画はガエル・ガルシア・ベルナル演じる若き日のチェ・ゲバラがバイクで南米を旅して回るロードムービーではありません。エレン・ペイジが演じる女子高生がローラーゲームに青春をぶつける映画です。監督は『E.T』や『チャーリーズ・エンジェル』でお馴染みのドリュー・バリモア。初監督作になります。

ローラーガールズ・ダイアリー』というのは邦題で、原題は『Whip It』だそうです。『モーターサイクル・ダイアリーズ』の日本でのヒットにあやかって付けられた邦題に思えます。

エレン・ペイジが演じるテキサスの田舎町に住む女子高生は母親の言うなりに地元のミスコンテストに出ていたけれど、どうも居心地の悪さを感じていて、だけど本当に自分のしたい事は分からない。そんなある日、服屋にローラーゲームのフライヤーを置いてくれと頼みに来たローラーゲームの選手に出会い、ローラーゲームの世界に引きこまれていくというお話。

母親の強い束縛、コーチ以外は全部、女だけのローラーゲームの世界は最近見た、『ブラック・スワン』と比べてしまいます。都会と田舎、家族との関係、芸術であるバレエと見世物まがいのローラーゲーム、サイコ・スリラーと爽やかな青春映画と対称的な2つの作品ですが、それぞれのヒロインがバレエやローラーゲームに向ける情熱には嘘はないところは同じです。ちなみに配給会社がフォックス・サーチライト・ピクチャーズというところも共通しています。

ジュリエット・ルイスウィノナ・ライダーの役どころもちょっと似ているように感じました。後半のエレン・ペイジジュリエット・ルイスと二人で話すシーンのジュリエット・ルイス台詞が泣けました。私は37歳、ローラーゲームと出会ったのは31歳のときで、やっと自分の居場所が見つかったと思った、みたいな台詞だったと思います。

ドリュー・バリモアエレン・ペイジのチームメイトとして出演しています。コメディーリリーフ役でローラーゲームの試合のシーンでは笑えるシーンはドリュー・バリモアがほとんど引き受けています。

そして何と言ってもエレン・ペイジのかわいさと熱演ぶりが素晴らしいですね。メガネの冴えない前半からローラーゲームに出会って変わっていくところ上手く演じられているし、撮れています。メガネをはずして、顔の表情が明るくなるだけなのに全く別人のように見えます。前半の表情があまりにも暗すぎというか冴えなさすぎでもあるわけですが。

爆音上映も最高でした。バスドラやベースの音が腹に響いてきて、ライブの会場にいるような臨場感でした。3D映画も面白いけど爆音上映も楽しいですね。上映前と上映後にはラモーンズの曲がずっとかかっていましたが、映画の中では『シーナはパンクロッカー』しかかかっていませんでした。初めてエレン・ペイジが親友と親に嘘をついてローラーゲーム観に行く車のシーンでかかっていました。エレン・ペイジのエアギターも良かったです。

エンドロールが終わると拍手が起きていました。映画の上映後に観客から拍手が起こるのに遭遇したのは初めてです。そう言えば、漫画家でコラムニスト、クラブDJでもあるしまおまほさんもこの映画を見ていたようです。

Whip It