ぶら~りネット探訪

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『トイレット』を見た

早稲田松竹で『川の底からこんにちは』と二本立てで上映されていたので、取り敢えず『トイレット』も見てみました。 『トイレット』撮ったのは荻上直子という女性の監督で、『かもめ食堂』、『めがね』といった映画を撮っている人だそうです。私の趣味からはかなり遠い映画といったイメージです。今まで全く荻上直子の撮った映画は見たことがありませんでした。 ちょっとユルい感じのハートフル・コメディというのが私の荻上直子の映画に対する漠然としたイメージでした。実際に『トイレット』見てみると確かにコメディ映画で、想像以上に何もかもがユルいしヌルい映画でした。「雰囲気美人な映画」といった感じですね。 撮影はカナダで行われて、もたいまさこ以外のキャストは全て外人さんの役者で、台詞も全て英語です。もたいまさこは最後の方に発する一言以外は台詞を喋りません。日本人のもたいまさこの孫が白人であることなどの不思議な設定についての説明は一切ありません。 不思議な設定以外に『SPACE BATTLESHIP ヤマト』並にもツッコミ所が満載の映画なんですが、私は映画を見ながらツッコミ所について考えているうちに眠たくなってしまい、何回か寝てしまいました。 三人の孫たちが言葉の通じないばーちゃんとの交流を通して自分自身の本来の姿を見つめ直し、お互いの絆を深め成長していくみたいな話らしいのですが、「そうでしたか」としか言いようがありません。 『川の底からこんにちは』⇒『トイレット』の順番でみたのが悪かったのでしょうか。『川の底からこんにちは』では立ち見の人までいたのに、『トイレット』では空席もありました。私の前に座っていたじーちゃんは上映開始10分くらいで席を立ってしまいました。上映開始、早々に観客が席を立つのを見たのは『シーサイドモーテル』以来でした。 コメディ映画だと思うのですが、笑える所がほとんどなく、他の観客も声を上げて笑っている人はいませんでした。終演後に近くに座っていた大学生風のカップルの女の方は「面白かった」と言っていました。男の方は「シュールだった」と言っていました。女の方はエンドロールの「スペシャルサンクス TOTO」というところが面白かったとも言っていました。 伏線を張るだけ張って、最後に回収しない投げっぱなしの映画や監督の意図していることが良く解らない映画はけっこうあります。伏線の回収や謎解きはなくても、この映画は意図しているところは理解できます。しかし、登場人物の作り込みがユルいところが致命的でした。言葉が通じなくても心は通じるというエピソードは、ただばーちゃんに孫が小遣いをセビっているだけにしか見えないのも酷かったですね。『川の底からこんにちは』で満島ひかりが父親から工場を立て直す資金を借りるシーンと対称的でした。『川の底からこんにちは』はもちろんシリアスなシーンではなく笑える形になっています。ちなみに荻上直子監督も『川の底からこんにちは』の石井裕也監督も『ぴあフィルムフェスティバル』出身だそうです。 『トイレット』で良かったは「センセー」と呼ばれる猫が画面に映っているシーンがけっこう多かった所です。「センセー」はおそらくカナダの猫でスタイルが日本の猫とはちょと違ってスマートな感じでした。 トイレット [DVD]
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