ぶら~りネット探訪

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『川の底からこんにちは』を見た

石井裕也監督、満島ひかり主演の『川の底からこんにちは』を見ました。

早稲田松竹で見ました。チケットを買おうとしたら劇場の係員に「立ち見になる可能性があるのでご了承下さい」みたいなことを言われたのですが、運良く座ってみることができました。

石井裕也監督はこの作品が商業映画としては初めての作品だそうです。満島ひかりは『愛のむきだし』での印象が強烈でした。

評判が非常によい映画でかなり期待していました。冒頭の10分くらいの主人公の会社でのシーンがちょっと退屈で、もしかしたらこの映画は自分には合わないのではないかと不安になりました。しかし、おじさん役の岩松了が登場するあたりから話が転がりだし、テンポも良くなっていき画面の中に引きこまれていきました。

主人公の満島ひかりは東京に出てきて5年、なんとなく惰性で生きていて、「しょうがない」が口癖の派遣OL。父親が病に倒れたという知らせが届き、実家のしじみ工場を継がなくてはならないハメになるという話。

笑いのツボというのはけっこう人それぞれだと思うのですが、この映画は私にとってはかなり笑える映画でした。台詞回しや、同じ台詞を何度も繰り返すところは舞台、小劇場的なものを感じました。岩松了が出ていた『時効警察』にも通じるモノも感じました。しかし、岩松了が酔って暴れるシーンが衝撃的で良かったです。

満島ひかりが激昂する演技は基本的に『愛のむきだし』での演技と同じでした。感情を爆発させるシーンより実家の台所で遠藤雅を理詰めで淡々と言い包めるシーンなどの方が私は良かったと思います。遠藤雅のダメ男ぶりも良かったです。あの徹底したダメ男ぶりがラストの盛り上がりに繋がったと思います。

子役の相原綺羅があまり可愛すぎない所や今時の子役すぎない所も良かったですね。もしかしたら、そんなことも計算の上での演技や演出なんでしょうか?ちょっと気になります。

最後まで笑いで持って行った所の潔さが何と言っても良かったです。父親の葬式が終わりマイクロバスに乗り込むところの満島ひかりと稲川実代子とのやり取りで感動的な方向に持っていくかと思わせておいて、あくまでも笑い着地させるところはさすがでした。大爆笑しながら、やられたと思いました。日本映画なの中盤以降はに劇場全体に笑いが起こるという珍しい映画でした。

確かに笑える面白い映画なのですが、一つ注文を付けるとしたら、もう少し映画ならでは映像表現があったらと思いました。ハットさせられるな映像が欲しいところです。

ネットのレビューを読むと下ネタが露骨で気分が悪くなったというご意見がちらほらと見られましたが、特に年齢制限がある映画ではないし、あくまでも台詞の上だけで映像の部分では露骨な表現は全くありません。あの程度で眉をひそめたり、気分が悪くなる人には『トイレット』なんかがお薦めです。

川の底からこんにちは [DVD]
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