ぶら~りネット探訪

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『乙女の日本史』を読んだ

辛酸なめ子さん推薦!」の帯の文句に釣られて読んでみました。

受験のときは日本史で点数を稼いだり、ゲームの『信長の野望』はけっこう好きだったのですが、歴史関係の本や漫画は今まで殆ど読んできませんでした。司馬遼太郎も全く読んだことがありません。歴史小説で今まで読んだことがあるのは黒田如水について書いた坂口安吾の『二流の人』くらいです。

『乙女の日本史』は巷に溢れる「おじさん史観」にツッコミを入れながら女性の目線で日本史を見直すということを目的にかかれた本だそうです。「おじさん史観」と言うのは「戦国武将に学ぶナンタラ」といったものから「川島芳子レズビアンだった」や「直江兼続は色小姓だった」みたいなエロネタみたいなものだそうです。この本でも男色、衆道についてはかなり詳しく書かれています。

古事記の神話の時代から現代まで、人物では天照大御神から白洲正子まで、カバーしています。基本的にはトリビア的な小ネタを詰め込んだような本なので本当に軽く読めます。

来年の大河ドラマは『江~姫たちの戦国~』で、ヒロインは浅井三姉妹の江(お江与)ですが、当然この本でもお市とその娘たちである浅井三姉妹についても触れられています。

歴史上の人物をモチーフにした漫画がたくさん紹介されているのですが、この手の漫画のほとんどが少女漫画なのはこの本が女性の目線で日本史を見直すことがコンセプトだからなのでしょうか?確かに少年漫画で歴史をテーマにしたものは少ない気がします。手塚治虫はけっこう描いていますが、その他だと『花の慶次』くらいしか思いつきません。(青年向けになると多少数は増えますが)

幕末のところで「チーム男子」という言葉が出きたのには驚きました。「チーム男子」というのは普通に使われている言葉なんでしょうか?新選組は敵を殺した数よりも、粛清で殺した仲間の数が多いそうです。よく言われていることですが、新選組って日本赤軍に似ているような気がします。新選組に萌えがあるなら、日本赤軍萌えもありえるのか?100年後の昭和史好きの中にはそんな人が現れるかもしれませんな。

ちなみに坂本龍馬については「不思議ちゃん」で「愛されキャラ」だったと書かれています。しかし、よく読むと坂本龍馬は自己プロデュースに長けた人で計算づくでそういったキャラを演じていたようにも感じます。

川島芳子について「東洋のジャンヌ・ダルク」と呼ばれていたと書かれていますが、「東洋のマタ・ハリ」と呼ばれていたといのはいくつか読んだことがあるですが、「東洋のジャンヌ・ダルク」というのは初めて読みました。

川島芳子李香蘭についてはよく映画のドラマのなっていますね。2008年には黒木メイサ川島芳子を演じていました。山田邦子川島芳子を演じたこともありました。この時に甘粕正彦を演じたのは片岡鶴太郎だったようです。ほとんど『ひょうきん族』のコントのようなキャスティングですな。

この本を出版しているのは教科書で有名な東京書籍です。しかし、「武将にとって茶道とは?」という小さいコラムみたいなところで、「松永久秀」を「松方久秀」と書いているのはマズイですね。「松方」ではマグロを釣りそうな感じですね。

松永久秀は教科書にも受験にも出てきませんが、将軍足利義輝の暗殺や東大寺大仏殿に火をつけたのではないかと言われるとんでもない戦国武将です。『信長の野望』では政治力高く、諜略などに長けた武将として設定されていますが忠誠心が低く、簡単に裏切ったりします。

乙女の日本史
乙女の日本史