ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

『アウトレイジ 』を見た

北野武監督の『アウトレイジ』を見ました。

北野映画を見たのは、テレビで『HANA-BI』を見て以来です。私が北野映画で見たことがあるのは『その男、凶暴につき』、『3-4X10月』、『キッズ・リターン』。今までは『キッズ・リターン』一番好きな作品でした。

アウトレイジ』の予告は出てくる役者がひたすら怒鳴りまくっている予告が可笑しくて気になっていました。あの予告はどう見てもギャグにしか私には見えませんでした。なので、今までのヤクザ映画にツッコミを入れるような映画かと思っていました。私の予想は半部は当りで半分は外れていたよう気がします。

最近の北野映画を海外の評価は高すぎる、なんだか小難しい感じ観客を煙に巻くような感じ、ギャグが滑りまくっているのでは思っていた私にはこの映画はかなり衝撃でした。ちゃんとエンターテイメントしていて、普通に楽しめます。

この映画はとにかく暴力描写(R-15指定)が凄いことになっています。どうやって人間を痛めつけ、そして殺すかを描いた映画だと言えます。この映画を見る前にヤクザの組織についての知識、直参とか旗本、若頭とか前頭とかそういった予備知識がないとストーリーを理解できないのかと思っていましたが、全くそういう事はありませんでした。この映画でストーリーはおまけみたいなものです。その点は3Dを体験する映画である『アバター』と構造は似ています。

北野映画の暴力描写は日常的な中の暴力、リアリティのある暴力、痛みが伝わるような暴力描写が多いと言われていますが、『アウトレイジ』の暴力描写は一段と痛みが伝わってくる表現になっています。石橋蓮司がタケシに歯医者で襲われるシーンや、椎名桔平覚せい剤を売っているラーメン屋のオヤジを傷めつけるシーンは強烈でした。

この映画は北野映画では珍しく笑えるシーンが多かったのも印象的でした。漫才師であるビートたけしが映画監督として映画を撮っても、今まではクスっとは笑えても、大笑できるシーンはほとんどなかったのですが、この映画はいくつかのシーンでバカ笑いしました。特に中野英雄がたけしの組事務所に侘びを入れに来て、なぜか罵り合いになり、カッターで指を詰めろと強要されるシーンはバカウケでした。その他でも罵り合いのシーンはいくつかあるのですが、怖いと言うよりもバカバカしくて笑えました。椎名桔平がラーメン屋のオヤジを傷めつけるシーンも笑えました。

小日向文世のマル暴の刑事役や加瀬亮インテリヤクザもいい味出しいました。小日向文世はたけしの後輩でいつも頭があがらないのですが、一度だけたけしに殴るシーンが良かったですね。加瀬亮は痴漢の冤罪で懲役を食らってヤクザになったのでしょうか?

三浦友和が最後にああなるのは、最近の三浦友和のドラマでの役柄を考えると分かりやすかったですね。悪人らしい悪人は死んで、普通ぽい悪人が生き残り、警察とヤクザの癒着は続く最後の展開は『その男、凶暴につき』から変わってない感じですね。

音楽は鈴木慶一なんですが、音楽は最初と最後しか音楽はほとんどなかったような気がします。北野映画と言えば久石譲というイメージだったのですが、いつの間にか変わっていました。

続編を作るという話がありますが、主要なキャラは全て死んでいるので単純な続編は難しそうですね。『スター・ウォーズ』の新シリーズみたいに前日譚にでもするのでしょうか?特にシリーズ化しなくてもこいった内容の映画ならまた見たいとは思います。

アウトレイジ [DVD]
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