ぶら~りネット探訪

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【人生案内】私は劣等感の塊

久しぶりに読売新聞の「人生案内」を取り上げてみたいと思います。

相談者は40代の女性会社員。夫と3人の子供と暮らしているそうです。相談者は物心が付いた時からコンプレックスの塊で、字は下手、運動はダメ、音痴、センスもなく頭も悪い。けちくさいし面倒くさがりで努力嫌い。自分の顔もスタイルも大嫌いだそうです。仕事でもミスが多く、ミスをする度に会社を辞めようと思うけど、旦那の稼ぎだけではやっていけないので辞められない。

相談者が働いている会社は金融関係で社名を出すと「すごいところに勤めているね」と言ってもらえるそうです。でも相談者はそんなことでしか自分の価値を確かめられないなんてみじめだと感じているようです。

相談者はこんな自分が嫌いだそうです。夫は仕事悩みを聞いてくれるが、仕事を辞めていいとは言ってはくれないし、周囲の人間も相談者が何も悩みはないと思っているようで、そこがこの相談者の悩みようです。

今回の回答者は作家の出久根達郎さんです。出久根さんの回答が強烈です。コンプレックスを人に言ったりすることは、時には自慢と受け取られると始めに切り出し、いくつも自分のコンプレックスを挙げられるのは、それが劣等感ではなく優越感の裏返したと書いています。

確かに相談者の文章を改めて読んでみると、旦那も子供もいて、働いている会社も大きく有名なところで、普通に生活していくことに関して何か不自由なことがあるわけではないようです。何となく、「人生案内」という公の場でさり気なく自慢話をしたかったような気配があります。それならば、YOMIURI ONLINEの「発言小町」に書き込めばよかったような気がします。

出久根さんは、無理に自分を好きになる必要もないとも答えています。自分を好きになれなければ他人を好きになればいい、そうすればおのずと自分も好きになれるそうです。逆に自己愛が強すぎると、人の欠点ばかりに目が行くようになり人嫌いになる恐れがあるそうです。ちょっと目から鱗な回答というか発想です。

出久根さんの鋭く含蓄のある回答と全く対称的なのが翌日の「乳がん…自分見失いそう」という相談への最相葉月さんの回答。

この相談も40代の女性会社員からの相談で、初期の乳がんが見つかり春に手術を受けたそうです。自分は何かの役に立っていたのか、自分は人のため何もしてこなかったのではないかと考えたり、一日一日を大切にすると心に決めたけど、再発の不安に押し潰され自分を見失いそうという相談。

相談者のこれまでの人生は虚しいものではなく、きっと誰かの役に立っていたこともあるという回答は悪くはないと思いますが、最後に「少なくとも私は、今日まで全速力で走ってこられたあなたを心から尊敬しています。」という言葉はあまりにも取ってつけたような言葉でどうかと思いました。言葉が上滑りしている感じですね。