『元気ですか』を聞いた

中島みゆきのカバーを集めたアルバム『元気ですか』を聞いてみました。 「元気ですか」と聞くと私はどうしてもアントニオ猪木の絶叫を思い出してしまいます。しかし、今回聞いてみたのは中島みゆきのカバーを集めたアルバム。トリビュートアルバムではないのは、このアルバムのために録音された曲と、既存のカバー曲が一緒に収録されているためのようです。2006年にリリースされたアルバムです。 布施明が中島みゆきの『わかれうた』をカバーしているのを聞いて、中島みゆきのトリビュートアルバムみたいなものはないものかと探していたら、このアルバムを見つけました。 何と行っても坂本冬美の『化粧』が素晴らしいですね。この1曲だけでもこのCDを聞く価値があると思います。(iTunesでも買えます) 私は中島みゆきのオリジナルは聞いたことがなく、桜田淳子がカバーしたものしか聞いたことがありませんでした。坂本冬美のこの曲では涙は心で止まっていると私には思えました、そしてそこが切ない感じがします。 坂本冬美の『化粧』はしっとりとしていて、艶っぽく、それでいて中島みゆきの曲とは思えないほど湿度が低くサラッとしています。サラッとしているように感じるのはアレンジのせいもあるかと思います。後半のオルガンのフレーズはプロコル・ハルムの『青い影』みたいに聞こえます。そんなことは別にしても坂本冬美の歌は素晴らしい。 今年はビリー・バンバンの『また君に恋してる』でヒットを飛ばした坂本冬美。『また君に恋してる』は一部ではキング・クリムゾンの『MOON CHILD』に酷似しているなどと言われていますが、歌い手坂本冬美の評価については全く問題ないと思います。坂本冬美は以前、『パープル・ヘイズ音頭』を細野さんや清志郎をバックに歌っているので、『ムーン・チャイルドまた君に恋してる』をロバート・フリップのギターをバックに歌ってくれるかもしれません。 福山雅治の歌なんてどうでもいいと思っていたんですが、『ファイト!』が意外によかったんですね。福山雅治がどんな歌を歌っているか全く知らないですが、中島みゆきの世界にはまっている感じがします。『世情』とか『狼になりたい』も歌ってもらいた気がしました。 小谷美紗子T + 100sの『狼になりたい』はちょっと小洒落た感じでまとまり過ぎているような感じがします。槇原敬之の『空と君のあいだに』も槇原敬之の声が高くて綺麗すぎて、それはないでしょうという感じですね。 『アザミ嬢のララバイ～世情』を歌っている浜田真理子という人は全く知らないのですか、初めて聞いたとき、声も歌い方も中島みゆきにそっくりなので驚きました。 このアルバムで小柳ゆきの名前を久しぶりにみつけました。小柳ゆきが『後悔』は確かCMに使われていたような記憶があります。このアルバムを聞いて初めて、中島みゆきの曲と知りました。当たり前ですが、小柳ゆき歌上手いですね。なんで売れなくなったんでしょうか？何となく、小柳ゆきのいた枠には現在、中島美嘉がいるように感じます。 何となく、このアルバムの選曲は、全体的に中島みゆきの2006年まで足跡をバランスよく辿っているようには感じるのですが。もう少し偏った選曲になってもよかった気がします。 元気ですか