ぶら~りネット探訪

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『ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘』を読んだ

水木しげる赤塚不二夫手塚治虫の娘による鼎談集。漫画家の父を色々な視点からその娘が語りあっています。タイトルが素晴らしいですね。 水木サンと手塚治虫の確執というかライバル関係(手塚治虫が勝手に水木サンをライバル視していという感じですが)みたいな話はかなり有名ですが、この本でもその辺の微妙な関係が感じられるエピソードが所々に現れています。 水木サンの長女が(この本に登場する水木悦子さんは次女)手塚治虫のファンで、水木サンに「お父ちゃんの漫画には未来はない。手塚漫画には未来がある」と言ってケンカになったというエピソードがとても面白いですな。 水木悦子さんも水木サンの『総員玉砕せよ!』や戦記モノを子供の頃に読んで、三日間くらい暗い気持ちになったと語っています。今、朝ドラで『ゲゲゲの女房』をやっていますが、水木サンの貧乏時代は子供が生まれてからも続いていたそうです。 手塚るみ子電気グルーヴのファンだそうで、アトムをモチーフにしたコンピレーションアルバムを企画したときに石野卓球に声をかけたそうなんですが、卓球があまり手塚漫画に興味がないということで断られてしまったそうです。アニメの『墓場鬼太郎』の主題歌が電気グルーヴの『モノノケダンス」になった事に対して手塚るみ子は親子二代に渡る水木漫画に対する嫉妬心と言っているのも笑えました。 赤塚不二夫のトリビュートアルバム『四十一の春だから』には電気グルーヴは参加しいいます。私はこのアルバムを聞いたことがありますが、参加しているミュージシャンはわりと有名なわりにつまらないものでした。 音楽の話では水木サンがレゲエを聞いたりMCハマーを気にいっていたりという話が以外で面白かった。赤塚不二夫山下洋輔やジャズミュージシャンと付き合いがあったのでジャズを聞くかと言うと、全くジャズはきいていなかったそうで好きなのは専ら美空ひばりだったそうだ。そんな赤塚不二夫音楽事務所をやっていたこともあったそうで、デモテープを持って売り込みに来た女性歌手を「暗い」という理由で赤塚不二夫が断つたら、他でデビューした大ブレイクしたそうです。この女性歌手って誰なんでしょうか? 娘が選ぶ父の傑作漫画ということで、手塚治虫と水木サンは短編、赤塚不二夫は『レッツラゴン』(RIMIX)が掲載されているのもいいですね。なんといっても『レッツラゴン』のアナーキーな破壊力が凄い。赤塚不二夫は『天才バカボン』の後半あたりからよく言えば実験的、悪く言えば楽屋落ちや手抜き的な描き方をしていましたが、改めてその滅茶苦茶さを思い知りました。立川談志がやっているイリュージョン落語を漫画で表現しているような感じもします。 そう言えば赤塚不二夫立川流のBコースで立川不ニ身という名前をもっていました。談志は手塚治虫を尊敬していて、「天才とはレオナルド・ダ・ヴィンチ手塚治虫のことをいう」と言っていました。1997年に映画で『ジャングル大帝』がリメイクされたときに談志はハム・エッグの声をやっていました。 ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘
ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘