ぶら~りネット探訪

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森光子の『Mitsuko Mori』を聞いた

このアルバムは国民栄誉賞受賞記念として95年に発売されたCD「Mitsuko Mori」を仕様変更し今年再発されたものだそうです。戦中や戦後間もないころは歌手をしていたことは『人生はロングラン―私の履歴書』を読んでいたので知っていましたが、私はこのアルバムで初めて森光子の歌声を聞きました。 ジャケットはヒロ・ヤマガタの描き下ろしの森光子の肖像画です。ヒロ・ヤマガタの描き下ろしというのがどの程度のありがた味があるのか私にはよく分かりません。クリスチャン・ラッセンと同じ匂いを感じます。どうせなら横尾忠則に描いてもらえばよかったと思ったのですが、横尾忠則がオープニングのイラストを描いていたのは『時間ですよ』ではなく、『寺内貫太郎一家』や『ムー』、『ムー一族』でしたね。 オリジナルが10曲入ったディスク1とカバーが10曲入ったディスク2からなる2枚組という構成になっています。正直なところオリジナルはあまり面白くありません。『カーテンコール』は筒美京平、『100通の手紙』は玉置浩二、『お泣きなさい』は後藤次利が作曲しています。歌詞は全て秋元康が書いています。 秋元康はなんとなく美空ひばりの『川の流れのように』ものを狙っているような気がするのですが、ちょっとハズしている感じです。 『お泣きなさい』は全く後藤次利らしくないハートウォーミングなバラードなのが不思議な感じです。『哀しい女-RISKY- 』(作曲は都志見隆)はちょっと井上陽水の『飾りじゃないのよ 涙は』に雰囲気が似ています。 カバーの方はけっこう楽しめます。1曲目の『君恋し』はアレンジがレゲエです!森光子がレゲエですよ!これは本当に驚きました。『君恋し』は大正時代に作られた歌で、私はジェロがカバーしていたので知りました。 井上陽水の『ジェラシー』も歌っています。この曲はピーターもカバーしていました。『時間ですよ ふたたび』で森光子はとんねるずと『リバーサイドホテル』で踊っていた記憶があります。 全体的にゆったりとして、しっとりとした曲が多いのですが『想い出ぼろぼろ』は派手なホーンやスラップベース(岡沢章)やディストーションの聞いたギターが入っていて、森光子もノリノリといった感じで歌っています。はて、オリジナルの内藤やす子バージョンはどんな感じか改めて聞いてみたら、元々かなり派手なアレンジの曲でした。不思議な歌謡曲ですな。宇崎竜童、阿木燿子夫妻の作品なんですね。 肝心の森光子の歌声ですが、さすがに歌手をやっていただけあってしっかりした実力を感じます。歌声は普通に話しているときの声とほとんど違いがありません。『天城越え』での高音もしっかり出ていています。このCDが最初にリリースされたのは95年なので録音されたのは75歳前後だと思うのですが、75歳でこの歌声はやはり驚異的ですね。 Mitsuko Mori
Mitsuko Mori