ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

『マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア』を読んだ

マスゴミ」というネットスラングがタイトルにしていることからネット右翼小林よしのりみたいな内容かと思ったけど、意外にまともでした。 護送船団方式で守られてきた新聞、テレビの構造的な問題点が実にわかりやすく、説明されています。そして、リーマン・ショック以降、広告費の激減によって護送船団に守られてきた新聞、テレビというメディアの経営が揺らぎだしていて、今までのビジネスモデルが通用しなくなっているとこの本は書いています。新聞社やテレビ局もちよっと前の銀行や保険会社のように倒産したりする時代がすぐそこまで来ているということらしいです。 梶原しげるの『TALK TO TALK』というラジオに(私はポッドキャストで聞いたのですが)佐々木俊尚が出ていて同じような事を話していました。佐々木俊尚も同じようなテーマで本を書いているみたいです。 再販制度に守られている新聞は法律で値引きが出来ないそうです。同じ再販制度で守られているCDや本、雜誌などはアマゾンなどで買う場合などは値引きを受けらますが、新聞は独占禁止法の新聞特殊指定で小売業者は定価以外の販売は出来ないそうです。 余談ですが立川志の輔の『はんどたおる』という新作落語で新聞の勧誘員に対して夫は東京ドームの野球のチケットを、妻は新聞代の値引きを要求するシーンがあります。この落語の中では勧誘員は新聞の値引きに応じています。(どんでん返しがあるのですが) 新聞の「押し紙」の問題や記者クラブ制度の弊害などについては以前か語られていました。「押し紙」に『週刊新潮』が最近大きく取り上げていますが、私が「押し紙」という言葉を知ったのは今は亡き『噂の真相』です。 既存のメディアに変わるメディアとしてインターネットが取り上げられていますが、この著者はネットを過信しすぎている気がしてなりません。この本著者はネットでは誤った情報もすぐに訂正や修正が可能とネットの集合知は素晴らしいとほぼ手放しに近い形でネットを賛美しているように感じられます。中川淳一郎の『ウェブはバカと暇人のもの』を読んだりしていると、どうもネットを単純に賛美するのは非常に危ういと思います。 この著者は経済が専門らしいのですが、どうも市場原理主義者のように感じられます。確かに新聞やテレビは護送船団に守られていて、市場競争とは無縁な業界というのは不健康で問題ですが、市場競争で勝ち残ったものが全て正しいというのも極端でいけませんね。 この本で一番残念なのは毎日新聞の「WaiWai変態報道事件」が他の新聞で報道されなかったのが、著者がこの本を書く動機となったということです。私も「WaiWai変態報道事件」は知っていますが、私にはそんなに重大な事件には思えません。「ネタにマジレス」というか東スポに対して本気で怒っているみたいで野暮な感じが否めません。他の新聞が取り上げなかったのは取るに足らない事件だったからだと思います ちなみこの本の著者の三橋貴明さんは今年の参議院選挙に自民党から比例で出馬するみたいです。今度は選挙あるいは政党を経済的な面やビジネスモデルといった面から分析した本を書いてもらいたいものです。 マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~
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