ぶら~りネット探訪

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『機動警察パトレイバー the Movie』を見た

1989年に公開された押井守の監督作品、『機動警察パトレイバー the Movie』をDVDで見てみました。

私はこの作品をリアルタイムでは見ていません。2001年の9.11テロの時に宮崎哲弥が『パト2』の方を取り上げていてことからパトレイバーを知りました。

機動警察パトレイバー』は漫画、テレビアニメなどメディアミックスが展開されていた作品のようですが、私は漫画もテレビアニメを見たことがありませんでした。特に予備知識もほとんどない私でも楽しめるようにこの映画は作られています。

湾岸開発が進む東京で工事用のレイバー(ロボット)による原因不明の暴走事故が多発、警視庁特車二課第2小隊がその暴走事故の謎を追うというのがこの映画のあらすじ。

1989年に作られた映画なのに、レイバーを動かすOSやコンピュータウィルスが事件のカギになっているところが非常に面白いですね。1989年なので当然、Windows95は影も形もありませんし、今のように当たり前のように家庭にPCがあったり、ほとんどの人が携帯電話をもっていたりする時代でもありません。しかし、今見てもこの映画の設定はそんなに古く感じません。

レイバーの暴走が単純にプログラムのバグなのかそれとも意図的にプログラムされたものなのかという部分はこの後に押井守した監督した『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』もこの辺の設定は非常に似ています。

実際の世界と大きくズレている点はレイバーを動かすOSの出荷に政府の認可が必要というところ所でしょうか。不具合があればパッチの提供あるいはリコールといった処理が妥当ですね。

実際に1988年はバブルによる土地の高騰により、東京の街並みが急激に変化をしていった時代で、押井守の変わっていく東京に対する複雑な気持ちがこの映画の底流に流れている気がします。松井刑事が帆場英一の住んでいた部屋を確かめていくシーンは、失われていく古い街が描かれています。取り壊された銭湯の洗い場で一休みするシーンが非常に印象的です。ちなみに脚本は押井守ではなく平成ガメラシリーズなどの脚本もやっている伊藤和典

台風が東京に接近していることを伝えるテレビの天気予報のお天気お姉さんの声はまだ無名だった林原めぐみです。この天気予報で気圧の単位がこの当時はまだミリバールでヘクトパスカルではないところも時代の流れを感じます。

整備員のシゲさんは『うる星やつら』のメガネや『北斗の拳』の次回予告でお馴染みの千葉繁。「さーて、世界情勢は」と言って新聞を広げるところは『ビューティフルドリーマー』のメガネで一緒ですね。

映画のテンポ的や話の運び方は『パト2』よりもこっちの方が上手くいっているように感じます。『パト2』には笑える所もあまりないですね。そういえば最近の押井守の映画には笑いの要素がほとんどありませんね。押井守にはパトレイバーや『ビューティフルドリーマー』みたいな笑いもある冒険活劇を作ってもらいたいものです。

機動警察パトレイバー 劇場版 [DVD]
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