ぶら~りネット探訪

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唐沢なをきの『まんが極道 2』を読んだ

表紙がピンクで昔の少女漫画風のキャラが描かれていますが、特に少女漫画ネタばかりというわけではなく、話は基本的に1巻と同じような感じになっています。 新しいキャラも登場しますが、1巻で登場した夢脳ララァ、山本孫太郎虫、迷中マリといったキャラも登場します。手塚治虫スターシステムとは違い、各キャラの設定は基本的に1巻エピソードに基づくもので、2巻ではそのキャラの前後のエピソードみたいなかたちで話が描かれています。 新しいキャラとしては「戦え!女王様」は若乙女命、「超能力ちゃん」の神無香奈見と彗星順子の二人、同人作家の息鳴雲留などなど。 若乙女命は少女漫画の女王で、1巻で登場した迷中マリと対決しています。若乙女命の『聖アレキサンドリア学園の灯』は月刊少女青虫に30年以上連載を続いているという設定だそうです。若乙女命はもちろんいい歳で、そのアシスタントも平均年齢が50を超えているのですが、漫画を描くときは全員セーラー服を着て女子高生の心になりきって描くというところが笑えます。 1巻でもトビムシひろしが『萌えロリメイドののたん』を描くときにはアシスタントも全員メイドの恰好で描くというシーンがありました。 「超能力ちゃん」は原作(神無香奈見)と作画(彗星順子)の女の子二人が漫画家を目指してがんばるけど、結局漫画家にはなれずに悲劇が・・・、という話。香奈見は超能力(こえのうりょく)を持つ不思議ちゃんで見た目はエヴァンゲリオン綾波みたいになっています。超能力(こえのうりょく)を使うときはなぜかアニメの一休さんが頓知を捻り出すときのポーズをします。(「ぽくぽくぽくぼく、ちーん」というやつです) 「作られた青春」はドリンクのプロモーションのために「新ジョーバン荘(トキワ荘)」を作り、そこに集う若い漫画家の姿を追うテレビドキュメントを撮る話。夢脳ララァや1巻で母親にバットで殴り殺された同人作家の篭目山トト治などが集められ、胡散臭いドキュメンタリーが作られます、もちろんヤラセありで。漫画家たちはヤラセの片棒を担ぐのは嫌だと言うのですが、テレビのスタッフはヤラセではなくエンターティメントだと言い切り、「コミックひよけむし」の連載をエサに漫画家たちをその気にさせます。ヤラセに関する所は実際のNHK唐沢なをきのトラブルを思い出します。実際の唐沢なをきはヤラセのテレビに出てまで得られるものがなかったので、今回のトラブルになってしまったような気がします。 アシスタントの助っ人で山本孫太郎虫のところに息鳴雲留がやって来る話もいいですね。息鳴雲留が同人誌の成功を山本孫太郎虫のアシスタントたちに自慢していると後ろから山本孫太郎虫が椅子で殴りつけ、「他人のキャラをパクって金を稼ぐしか能のない寄生虫が」というシーンが凄いですね。唐沢なをき自身、パロディとして人のキャラを使ったりすることが多いのによくここまで描くと感心してしまいます。普通の商業誌の漫画家はこれを見て溜飲を下げるのでしょうか? まんが極道 2 (BEAM COMIX)
まんが極道 2 (BEAM COMIX)