ぶら~りネット探訪

音楽、競馬、映画などについて非常にテキトーにダラダラと綴っていくブログでございますですよ。

唐沢なをきの『まんが極道 1』を読んだ

最近、話題の漫画家、唐沢なをきの『まんが極道 1』を読んでみました。一部では"人気漫画家"と紹介されている唐沢なをきですが、2ちゃんなどではネタなのか浦沢直樹と勘違いしている書き込みなどもみられます。今回の事で知名度は若干上がったような気がします。 村崎百郎が『社会派くんがいく!』でこの漫画を褒めていたので以前から読みたかったのですが、なかな書店で見つけることができなかったのですが、やっと買って読むことができました。 この『まんが極道』は以前、このブログでも感想を書いた『漫画家超残酷物語』と同じような漫画です。『漫画家超残酷物語』は永島慎二のパロディで『まんが極道』は唐沢なをきのオリジナルですが、漫画業界(漫画家、編集者、同人誌、読者)を描いているところは基本的に同じです。あくまでもフィクションとなっていますが、モデルとなっている漫画家や事件はあるような気がします。今回のNHKとの問題もコミックビームでは既にネタになっているようです。単行本に収録されるのか見ものですね。 スランプになった漫画家のほとんど下書きの原稿をそのまま雑誌に載せてしまう話も実際にあった話のようですね。 女流漫画家が新興宗教にはまってしまう話も聞いたことがあります。小学生向けの少女漫画に肛門性交はさすがにないと思うのですが、どうなんでしょう? 漫画家になれなかった者、同人誌で漫画を描いている者、ただの読者を主人公にした話が描かれているのがこの漫画の特徴というか面白いところですね。ニートの同人作家とその母親の話はギャグでは収まりきれない凄惨なものになっています。 枕営業でなんとか仕事を取ろうとするうちに壊れてしまって”神保町メリー”(おそらく横浜メリーから)と呼ばれるようになってしまう漫画家志望の夢脳ララァの話も悲惨なのですが、唐沢なをきの独特の絵とギャグのせいでそれほど悲惨さは感じません。 貧乏漫画の主人公と自分を比べて自分は勝ち組と自信をもつ読者の話も切ないものがありますが、これは間抜けで笑えて救いがまだあります。 第12話「女のシアワセ」は監修唐沢よしこ(作者の嫁)となっているのが気になりますね。漫画家志望の2人の男を天秤に掛けて選んだ男がハズレで苦労する女の話なのですが、これは唐沢夫妻の話なのかと勘ぐってしまいます。この話は珍しくちよっとだけハッピーエンドになっています。 漫画に出てくる雑誌の名前が「少年青虫」や「少年蛆虫」なのは漫画の神様、手塚治虫の「虫」に敬意を表してのことなんでしょうかね?とにかく、ほとんど救いようのない話ばかりなのですが不思議な魅力のある漫画に感じてしまいます。 まんが極道 1 (BEAM COMIX)
まんが極道 1 (BEAM COMIX)