ぶら~りネット探訪

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『パチンコ「30兆円の闇」―もうこれで騙されない』を読んだ

2ちゃんねる小林よしのりのパチンコ問題のスレを見ていたら紹介されていたので読んでみました。溝口敦は有名なノンフィクション作家ですが、私は今回初めて溝口敦の本を読みました。

私は学生のころ少しだけやったことはあるのですが、ほとんどパチンコはやりません。朝から並んだり、朝から晩までひたすら打ち続けたり、必死に情報誌を読んだりというところが働いているようで好きになれません。自宅でビールでも飲みながらPATで馬券買っている方が私は好きですね。最近はPATもほとんどやりませんが。

この本を読むと普通にパチンコやパチスロをやるのがバカらしくなります。30兆円産業であるパチンコ産業に群がっているのは北朝鮮だけではなく、警察、政治家、ゴト師、攻略ビジネスなどなど。普通にパチンコを打っている人は単純にいいカモですね。

この本を読んでまず感じるのはパチンコの食物連鎖の頂点は警察ではないかということです。大都市の繁華街を所轄する警察署の署長になると業者からの付け届けや餞別が凄いそうで、3回異動すると家が建つと書かれています。ホールなどの業者を取り仕切る生活安全課もそのおこぼれにありつけるので、警察の中では人気の部署だそうだ。

パチンコが賭博ではないカラクリ、「3店方式」についても改めて書かれています。パチンコが賭博ではない解釈とソープランドが売春ではないという解釈ってなんだか似ているような気がします。警察とそれぞれの業界の関係も似ているような感じですね。昔は警察の代わりにヤクザがこういう業界を仕切っていたようですね。

裏ROMなどを仕込んだりして違法に玉を出して稼ぐゴト師たちの存在も凄まじいですね。こういった人達の多くはホールの人間とグルだったりするそうです。特に中国人マフィアのゴト師は強烈で裏ROMを取り付けた台を日本人の若い奴に打たせて上前をはねて荒稼ぎし、故郷にビルディングおっ建てたりしています。

ホールはホールで玉がよく出ているように見せかけるための裏ROMを仕込んだり、ジェットカウンターに細工したりしているそうです。ホールは演出で客を引き寄せるためと警察関係者への付け届けや、パチンコメーカーへの裏金作りのために裏ROMなどを使っているそうだ。

メーカーも政治家や警察の接待のために脱税をしてまで裏金作っているそうだ。とにかくこの業界は上から下まで裏金作りに必死な様子です。この本ではっきりと名前が出てくる現役の政治家は亀井静香平沢勝栄の2人。2人とも警察官僚出身の政治家です。

パチンコの攻略ビジネスについてははっきりと全部デタラメと書かれています。攻略情報に数百万もつぎ込んで騙された話が書かれていますが、そんなまとまった金あるだったら、もっと確実に増やせる方法で増せばいいのにと思ってしまいます。

もちろん北朝鮮への送金についても触れられています。90年代にCR機が導入されたのは北朝鮮系のホールの対策だったというのは聞いたことがありますが、もちろんその辺についても書かれています。北朝鮮に渡った金はピーク時に600億円で、バブル崩壊を機に送金額は減っているそうです。驚いたのは万景峰号で修学旅行にやってきた学生たちに、1人50万円渡し、税関を通過させ、船の上で回収していたという話。

改めてパチンコ業界のダーティーを認識させてくれる本でした。小林よしのりはパチンコは健全な娯楽で後ろめたい事はなにもないような事を描いていたので、今度は『パチンコ論』という漫画を描いてもらいたいと思いました。

パチンコ「30兆円の闇」―もうこれで騙されない
パチンコ「30兆円の闇」―もうこれで騙されない